昨今、IT業界ではクラウドサービスの話題が何かと多い。確かに、インターネット経由でサービスを利用するのであれば、どこからでも利用でき、事業者側でメンテナンスが行われ、セキュリティ対策を講じてもらえる利点がある。また、管理する側に立てば、運用・メンテナンスに時間とリソースを割く必要がないというメリットがある。

しかし、だからといって自前でサーバを持つ必要がなくなったかといえば、そうでもない。1つはコストの問題だ。

自社で数多くのシステムを運用していれば、必要なサーバの数も多くなる。利用が短期であれば、クラウドサービスを使ってレンタルしたほうがお得になることが多いが、長期にわたって利用するのであれば、自前のサーバを利用したほうが割安になる。

また、社員同士でファイル共有したい場合なども、自社で所有したほうが割安になるケースがある。クラウド型共有ストレージの料金は、容量×人数になることが多いので、規模が大きくなれば、クラウドサービスのほうがどうしても割高になる。とくに、バックアップファイルの保存先として利用しようとすれば、容量も大きくなり、料金もかさんでしまう。

さらに容量は大きくなれば、料金だけでなく、アップロード/ダウンロードに時間がかかるという問題もある。

ほかにも、自前でサーバを持つメリットしては、セキュリティの問題がある。外部向けに公開したり、出先からアクセスしたりする必要性がないファイルサーバ、データベースサーバ、業務アプリケーション用サーバであれば、自前でサーバを保有してLAN内部に置いておく方が安心だ。さらに、個人間あるいは部署で共有するデータにアクセスするのに、いちいちインターネット経由で外部サーバにアクセスするのは非効率的であるともいえる。

手軽にファイル共有やバックアップが行えるサーバとは?

では、社員間の共有やバックアップ等に利用する場合、費用対効果に優れた「自前のサーバ」をどのように実現すればよいのだろうか?

特に小さな組織では、サーバの運用・管理に専任の担当者を置けないことが多いから、誰かが片手間で引き受ける形が普通だろう。サーバの運用・管理にかかる手間が増えると、担当者の負担が増えて、他の仕事に支障を来たす事態になる。

そうした事情を考慮すると、信頼性やサポート体制をできるだけ犠牲にしない範囲で高い費用対効果を実現できて、しかも扱いやすいサーバOSを備えたサーバが欲しい、という話になるだろう。

折から、Windows Server 2003のサポート期限切れ(2015年7月)という事情もあり、PCサーバの代替を考えている方は少なくないのではないだろうか。

単なる共有ファイル置き場ならNASでも用は足りるが、それでは本当にファイル置き場にしかならない。ファイル共有だけでなく、何かアプリケーションを実行しようとすれば、サーバでなければ具合が悪い。

また、アクセス権管理のことを考えて将来的にActive Directoryを導入するような場面まで視野に入れると、NASよりWindowsサーバの方がメリットが大きいだろう。

こういったニーズをかなえてくれるのが、マウスコンピューターの小規模向けサーバ専用機「MousePro SVシリーズ」だ。その名の通り、サーバ専用機であり、サーバとして運用することを前提にした設計になっている。

小型サーバ「MousePro SVシリーズ」

マウスコンピューターの小規模向けサーバには、 MousePro SV220ESシリーズとMousePro SV220STシリーズ、MousePro SV220SWシリーズがある。

MousePro SV220ESシリーズは、OSにWindows Server 2012 R2 Essentialsを採用した、初めてのファイル共有やセキュリティ管理に最適な簡単小型サーバだ。初めてのサーバ導入専用に簡単設計されており、ホットスワップ対応のHDDマウンタを前面に4機搭載し、データの定期自動バックアップ機能、社外からサーバ上のデータを閲覧、アップロードも可能なリモートアクセス機能を搭載する。

MousePro SV220STはWindows Server 2012 R2 Standard を搭載した小型サーバで、ファイルサーバ用途のほか、データベースやグループウェア等のアプリケーションサーバとしても利用できる。プロセッサ、メモリ容量ストレージ構成など柔軟なカスタマイズ選択が可能で、SSDとHDDを併載することで速度と容量のバランスをOS側で最適化する Windows Server 2012の特長を有効活用できる。

そして、MousePro SV220SWシリーズは、NAS向けの最新OSであるWindows Storage Server 2012 R2 Workgroup Editionを採用。大容量データの編集及び保存を繰り返すクリエイション・エンジニアリング作業に最適なSSDと、大容量データの保護及び保管に最適なHDDを併載することで、従来よりも費用対効果に優れたファイルサーバとなっている。

ただし、サーバを自前で保有・運用すると、サーバの運用・維持管理のために人手と時間を割く必要が生じるので、それがTCO(Total Cost of Ownership)を押し上げる可能性がある。

その点、「MousePro SVシリーズ」は、全モデルに1年間無償ピックアップ保証・ 24時間 365日電話サポートが付属し、最大5年間の延長保証にも対応する。また、オプションではあるが、「安心パックサービス」があり、最短当日修理返却、専任スタッフ対応の専用ダイヤル、初期不良期間内の新品交換サービスをワンパックにしており、中小企業にとっては安心できる。

これらのシリーズの特長は、非常に魅力的な価格帯を実現している点だ。 MousePro SV220ESシリーズは10万円以下(税別)で、MousePro SV220STシリーズは、Windows Server 2012 R2 Standardを搭載しながら13万円台(税別)で購入できる。サイズもW200×D337×H273mmとコンパクトで、置き場所に困らないのもうれしいところだ。

しかし、サーバというのは信頼性が生命線だから、ただ安いだけでは困る。性能も信頼性もちゃんとしていなければならない。

性能に関していえば、「MousePro SVシリーズ」はCPUやストレージ容量もカスタマイズでき、SSDも選択可能で、より高性能なマシンも選択できる。おもしろいのは、SSDとHDDを併載できることで、これにより使用頻度の高いデータをSSDに、それ以外のデータを HDDに格納して、速度と容量のバランスをとることができる。

信頼性については、2台のハードディスクドライブに同じ内容を書き込む RAID-1(ミラーリング)機能を利用することで、万が一のハードディスク故障時にリスクを分散することができる。さらに、4台のハードディスクドライブを利用して、ミラーリングした2台をさらに並列化して書き込むことで、読み書き速度も両立させた RAID-10(ミラーリング・ストライピング組み合わせ)機能にも対応している。Windows Server 2012を搭載するMousePro SV220シリーズなら、拡張されたNTFSファイルシステムによるオンライン破損スキャンや修復機能など、OSが備える信頼性を高める機能も利用できる。

「MousePro SVシリーズ」は4台のハードディスクドライブを利用して、各種RAID構成を構築可能

では、これらの詳細を次回から詳しく説明していこう。