ここまでは基本的に、水上戦闘艦、空母、揚陸艦などといった大型艦艇の話を主体にしてきた。これは、多種多様な電測兵装を載せているので「ネタ」が多い、という理由が大きい。しかし、艦艇といっても大形艦ばかりではない。いわゆる小艦艇もいろいろある。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照。
ミサイル艇の場合
例えば、ミサイル艇。艦対艦ミサイルを搭載して敵艦に忍び寄り、ミサイル攻撃を仕掛けて三十六計。と、そういう仕事をするフネである。「艇」というぐらいだから、そんなに大きなものではない。小さいもので何十トン、せいぜい数百トンぐらいの排水量になろうか。
幸い、ミサイル艇なら手近なところにあって、海上自衛隊の「はやぶさ」型がそれ。外見は普通のフネっぽいが、高速航行に適した船形と、ガスタービンで駆動する3基のウォータージェット推進器により、最大速力44kt(81.4km/h)を発揮できるとされる。
搭載兵装は76mm単装砲が1基と、90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)が4発。では、これらを操るためにどんな電測兵装を備えているか。