今回のお題は、フェーズド・アレイ・レーダー。主として対空用の多機能レーダーとして用いられているが、そうなると視界を広くとるために、「周囲に邪魔者がない」「できるだけ高い位置」に設置したい。ところが、回転式アンテナを使用する一般的なレーダーと比較すると、アンテナの構造が複雑で、大きく重い。その関係で、闇雲に設置位置を高くすると艦の重心を高くしてしまう。しかも場所をとる。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照。
2種類の米イージス艦
現在、「多機能フェーズド・アレイ・レーダーを装備する艦」の代名詞といえば、やはり米海軍のイージス艦であろう。これより前にもフェーズド・アレイ・レーダーを装備した艦はあったが。
そして米海軍のイージス艦には、艦隊の防空中枢艦と位置付けられるタイコンデロガ級巡洋艦と、艦隊のワークホースとして数を揃えることも重視したアーレイ・バーク級駆逐艦がある。