とっくに書いていただろうと思ったら、実はそうではなかった話が一つあったので、「小型化と分散化」というテーマにこじつける形で取り上げてみようと思う。ということで、今回のお題は「センサー・ノードの分散配置」だ。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照。
メリットは冗長性・抗堪性だけか?
センサーだけでなく、シューターあるいは指揮管制機能にもいえることだが、一つところに集中するのではなく分散することで、冗長性が増す。あるセンサー・ノードがやられてしまっても、生き残っている他のセンサー・ノードがあれば、多少なりともフォローができて、「いきなり全滅」にはならない。すると結果として、「戦うシステム」全体の抗堪性が向上する。
これを敵軍から見れば、つぶすべきターゲットが増える分だけ探知・捕捉・追尾・交戦のための負担が増える。しかも、そのターゲットが固定ではなく動き回るものであれば、ますます負担が増える。分散海洋作戦(DMO : Distributed Maritime Operations)のベースとなる考え方だといえよう。
しかし、それだけの話であろうか。というのが今回のお題。