高性能・高機能で高価な少数のプラットフォームに機能を集中する代わりに、ネットワーク化した多数のプラットフォームに機能を分散して冗長性を高めるとともに、探知・打撃能力を分散化しつつ連携させる。そういう話になると、センサーに求められる要件も違ってくるかもしれない。連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照。
小型で安価、でも性能は譲るな
「高性能・高機能で高価な少数のプラットフォームに機能を集中する」なら話は簡単で、カネに糸目を付けずに、高性能・高機能なセンサーを開発することになる。といっても、それを実際にやるのは簡単な仕事ではないのだが。
ところが、「ネットワーク化した多数のプラットフォームに機能を分散」となると数を揃えることが前提になるから、コストへの配慮が従来以上に求められる。
それに、SWaP-C(Size, Weight, Power and Cooling。サイズ、重量、消費電力、冷却)への配慮も求められる。センサーが電気食いだったり発、熱が多かったりすると、発電機や冷却系統を大型化する必要が生じて、結果的にプラットフォームにも累が及ぶ。グロース・ファクターである。
また、MUM-T(Manned and Unmanned Teaming)、あるいはいわゆる「忠実な僚機」と呼ばれる無人戦闘用機とかいった話になると、「墜とされても諦めがつく」ことも重要な性能となる。するとこれまた、コストを抑える配慮が求められるとの話につながる。
しかも、無人戦闘用機は自らターゲットを捕捉して自律的に交戦する場面が出てくるだろうから、「センサーは外部に頼り切り」とは行かない。自前のセンサーは不可欠だ。
安価な射撃管制レーダーの製品事例
実はすでに、比較的安価な戦闘機搭載用射撃管制レーダーの製品事例は、いろいろある。