Microsoft Edgeのツールバーには、使い方がいまいちわからないボタンがいくつかある。1つが前回取り上げた「数式ソルバーボタン」、もう1つが「引用ボタン」である。使う人は限られそうだが、これらは世相やMicrosoftの戦略を反映した興味深い機能なので取り上げておく。
→連載「意外と知らないMicrosoft Edgeの便利な使い方」の過去回はこちらを参照。
引用ボタンとは
設定ページから「外観」→「ツールバーのカスタマイズ」を見ると、ボタンの中に「引用ボタン」という項目があることに気づく。このボタンを有効にすると次のスクリーンショットのように「”」というボタンがツールバーに表示される。
引用ボタンをクリックすると、次のようなパネルが表示される。
このパネルは「参考文献の記述」をするための機能を提供する。学術用途では、論文や資料などの参考文献を指定されたフォーマットで提出しなければならないケースがある。引用ボタンはこの記述をサポートするもので、表示しているWebページに対する引用の記述を提示してくれる。
学生、研究者、開発者などにとっては便利な機能だが、一般のビジネスパーソンにはあまり使う機会のないものだ。今回は簡単にどのような機能かだけを把握してもらえればよいと思う。
引用ボタンの使用例
例えば、厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準 |厚生労働省」を引用したいとする。
引用ボタンを押してパネルを表示すると「完全な引用文」というところに引用データが記載されている。これが主に欲しいデータということになる。パネルの上部のリストで選択されているのは引用のフォーマットだ。執筆時点でフォーマットとしては「APA 7」「ハーバード」「シカゴ」「MLA」「IEEE」が用意されている。
ここで生成された引用は次のようになる。
◆引用: APA 7フォーマット
日本人の食事摂取基準 |厚生労働省..
◆引用: ハーバードフォーマット
日本人の食事摂取基準 |厚生労働省. [オンライン]. で利用可能: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html..
◆引用: シカゴフォーマット
"日本人の食事摂取基準 |厚生労働省.".
◆引用: MLAフォーマット
"日本人の食事摂取基準 |厚生労働省." https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html, アクセス日時 1 Jan. 1970.
◆引用: IEEEフォーマット
[1]"日本人の食事摂取基準 |厚生労働省," .
パネルに「プレビュー」の表示があるように、引用パネルが正確に引用データを生成できるWebページはまだ限られている。その場合、パネルに表示されている「ソースの種類」を選択して、表示されるフィールドに適切な情報を入力することで補正した引用を生成することができる。
◆引用: MLAフォーマット (手動でデータを入力した後)
厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準」策定検討会. "日本人の食事摂取基準 |厚生労働省" 厚生労働省, 24 Dec. 2019, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html. アクセス日時 1 Jan. 1970.
対応したサイトであれば、より正確に引用データを生成できて便利だ。