Content Collaborationを通じたWorkstyle Transformation

働き方の主流となりつつあるハイブリッドワーク。今回のITエキスパートブログは、Content Collaborationを通じて、ITが従業員のWorkstyle Transformation(WX)に貢献できるかを紹介します。→過去の「マシンルームとブランケット」の回はこちらを参照。

  • マシンルームとブランケット 第14回

みなさん、ハイブリッドワークを楽しんでいますか?仕事仲間とのコラボレーションはうまくいっていますか?

  • マシンルームとブランケット 第14回

    HPEが考えるコラボレーション

第10回では、ハイブリッドワーク下におけるチームワーキングについて私たちのチームでの仕事の仕方を例に、ツール活用やコツを紹介しました。今回は、Content Collaborationを通じて、ITが従業員のWorkstyle Transformation(WX)に貢献できるか紹介したいと思います。

いきなりですが、資料作成に時間をかけすぎてはいませんか?探すのに時間がかかっていませんか?あの資料どこにあったかな……。確かあの人とチャットをしたときに共有してもらったはず……。あれ?メールだったっけ、ファイル共有じゃないな、いろいろ検索しても見つからない……。申し訳ないけどこの前の資料をもう一回共有してもらえるかな?なんてやっていませんか?

  • マシンルームとブランケット 第14回

    資料を探すのに時間がかかり、結果的に作成時間にも影響する

例えば、アメリカでは、従業員が必要情報を検索する時間は9.5時間/人(出展:米国IDC. WHITE PAPER - The Hidden Costs of Information Work)という統計があります。これを改善することができれば、業務効率化も図れます。

  • マシンルームとブランケット 第14回

    必要な情報を検索することに9.5時間/週かかるという

この“資料がどこにあるかわからない問題”は、今に始まったことでもありません。ご存知の通りずっと言われてきた課題です。そして、リモートワークになり、さらに悪化したと感じませんか?

移動しなくてもよいので、どんどんと設定されるWeb会議。会議が終わってもすぐに別の会議が始まるので、整理や振り返りがほとんどできません。

「後でメール送っておきます」、「Teamsのチャットに貼り付けました」、「プロジェクトのチームサイトの会議フォルダにいれてます」、「Slackで共有します」、そうしていつの間にか安心している……。

働き方の変化にともなってコミュニケーションの取り方、コラボレーションの方法も変化してきています。その変化とは、目に見えるところでいうとさまざまなツールの導入です。チャットも会議も資料共有もいろいろできる先進的で便利なツール。気軽にチャットにファイルを貼りつけて送り、ダウンロードできます。

そして編集し、また貼りつける。自ら探しづらい環境を作っていませんか?せっかく先進的なツールを使っていても、非効率なコラボレーションをしていては、さすがに働き方が変化したとは言えないですね。ツールが増えただけということになってしまいます。

  • マシンルームとブランケット 第14回

    働き方の変化に伴いツールも進化してきた

HPEは、コンテンツを通じてうまくコラボレーションしていくことが、企業全体のWorkstyle Transformationのキーになると考えています。

Boxを利用してみる

さて、このコンテンツの格納し、扱う場所として、今Boxが注目されています。言わずと知れたクラウドストレージサービスです。なぜ注目されているかというと以下が挙げられます。

  • 社内外問わず利活用しやすい
  • APIが豊富で既存のコラボレーションツールと連携しやすい
  • 容量に制限がなく、あらゆるフォーマットのデータを格納できる
  • セキュリティ強度が高い(「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」に登録)
  • マシンルームとブランケット 第14回

    Boxの概要

そこで今回は、Boxで、効率的にコラボレーションを行い、コンテンツの利活用を促進し、WXへ貢献する例を紹介します。

Boxを導入すればいいんですよね?いえいえ、Boxはすごく便利なツールですが、導入しただけでコンテンツの利活用が進むわけではありません。下手すると、新たにツールが増えただけになってしまいます。

Boxでコンテンツが自然と集まっていく仕組みを作る

課題は導入後です。あらゆるコンテンツをBoxに集約させよう!とルールを作ってもなかなかうまく進みません。そう感じていらっしゃる担当者の方もいらっしゃるはずです。

今やさまざまなコミュニケーション、コラボレーションツールが使われており、営業はMicrosoft Teamsを使うけど、開発者はSlackやJiraを使うなど社内でも業種・職種に応じたバラバラのツールを使っている企業も多いです。他にも、さまざまな理由があります。

  • いまだメールを中心としたファイルのやり取り
  • 一時的な共有場所に置きっぱなし

こういった点が大きな要因と考えています。ツールを1つに統一することは、社外の相手が利用するツールの都合もありなかなかハードルが高く時間がかかります。

しかしながら、メールでのファイルのやり取りや一時的な共有場所に置きっぱなしにしてしまうことは、自動化すれば、解決するかもしれません。

つまり、人がコンテンツを入れていくというルールを作るのではなく、これまでの使い慣れたツールを使いつつもBoxにコンテンツが自然と集まっていく仕組みを作れば良いわけです。

  • マシンルームとブランケット 第14回

    コラボレーションにとって重要な要素

例えば、とある企業の契約書締結業務を例にしてみましょう。

  • 主にお客様との契約書のやり取りは、営業が行っている
  • ツールは、コンテンツのやり取りにメールを使い、格納場所にSharePoint Onlineを使い、Microsoft Teamsのチャット機能で連絡を取り合いながら進めている

このお客様との契約書を取り交わす際には、以下のような課題があります。

  • 営業に集中しすぎていてボトルネックになっている
  • 過去のファイルを参照できない(メールの履歴は探せるが、個人の範囲で最終版や他の事例は探せない)

残念ながら一元管理をし、コンテンツを活用して働き方を変えているとはいいがたいです。

  • マシンルームとブランケット 第14回

    ある企業の契約書締結業務フロー(従来)

Boxと自動化で一元管理

これを、Boxと自動化を使って変えていきましょう。今回はPower Automateを使ってみたいと思います。

  • 承認機能はBoxにもあり、Power Automateを使うと他に機能連携が簡単に増やせる。
  • Box内のフォルダ移動もAPIでできそうですが、Power Automateでもできる
  • 普段使っているMicrosoft Teamsへの通知機能も利用する
  • マシンルームとブランケット 第14回

    ワークフロー作成イメージ

Boxの利点である、既存ツールとの連携をうまく活用すると、お客さまに負担を強いることなく下記のようなことが可能になります。

  • 営業のタスクを減らしボトルネックを解消できる
  • 過去のデータを参照でき、営業の引継ぎや他の事例を参考にできる
  • メールでの誤送信のリスクがなくなる
  • マシンルームとブランケット 第14回

    ある企業の契約書締結業務フロー(現在)

いかがでしょう?Boxと自動化を使うことで、自然とBoxに契約書というコンテンツを集約しつつ、コンテンツの利活用、営業の負担軽減までできました。

トップダウンでBoxを使いなさいというルールで縛るのではないので、WXの考えをうまく現場に浸透させていくことができそうですね。また、今後はさまざまなクラウドサービスを使う場面が増えてきますので、複数のクラウドサービスを横断して連携していくことが重要になってきています。

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