今回は、LifeTouch NOTEのネットワーク関連機能について見ていこう。前回にも言及しているが、有線LANには対応していないものの、IEEE802.11無線LANを利用できるので、アクセスポイントさえあれば大丈夫である。

無線LANの接続設定

ちょっと分かりにくいのだが、無線LANの接続設定を行うには[設定]ツールを使用する。この中の[無線とネットワーク]を利用することで、以下の設定が可能だ。

・機内モード(飛行機の機内で使用する場合に、電波の発信を止める)
・Wi-Fi(接続中の無線LANの表示と、無線LANのオン/オフ)
・Wi-Fi設定(無線LANの接続設定)
・Bluetooth(Bluetoothのオン/オフ)
・Bluetooth設定(Bluetoothの端末名などを設定)
・VPN設定(VPNの接続設定と接続の実行)

[無線とネットワーク]の画面

まず、無線LANからだ。[Wi-Fi設定]をタップすると、(もしも接続していれば)接続中の無線LANの名前、MACアドレス、「らくらく無線スタート」や「AOSS」といった設定機能の呼び出し、といった機能を利用できる。そのほか、ESS-IDをブロードキャストしている無線LANを検出すると、その一覧も表示する。

画面を下端までスクロールすると[Wi-Fiネットワークを追加]が現れるので、これを使うと、新たに手作業でアクセスポイントを登録する操作が可能だ。登録する際に指定する項目には、特に変わったところはないので、ESS-ID、使用する暗号化規格の種類、パスフレーズを入力すればよい。これで接続可能である。(MACアドレスによるアクセス制限を行っている場合には、アクセスポイントにMACアドレスを登録する必要があるが)

接続している無線LANのESS-IDは、[無線とネットワーク]の2項目目にある[Wi-Fi]に現れる。そこを確認して、意図せざるアクセスポイントに接続していないかどうか確認しておきたい。

[Wi-Fi]をタップすると、MACアドレスや接続中の無線LAN、ESS-IDをブロードキャストしている無線LANの一覧などを確認できる

下端の[Wi-Fiネットワークを追加]をタップすると、手作業で設定の追加が可能

設定する項目には、特に変わった点はない

PPTP VPN接続を試してみよう

同じ[無線とネットワーク]に、VPN(Virtual Private Network)の設定を行う機能もある。これはAndroidの標準機能を利用しており、以下のプロトコルに対応している。筆者の自宅には、ヤマハ製のVPNルータ「RT58i」を使ったPPTP VPN環境があるので、そこに接続してみた。

・PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)
・L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)
・L2TP/IPsec PSK
・L2TP/IPsec CRT

まず[VPN設定]、さらに[PPTP VPNを追加]をタップすると、設定画面が現れる。そこで、[VPN名]で接続設定名、[VPNサーバーの設定]でVPNゲートウェイのIPアドレスまたはホスト名を登録すればよい。暗号化は既定の状態で有効になっている。

[無線とネットワーク]で[VPN設定]をタップすると、OSが標準装備するVPN機能の設定画面に移動する。PPTPだけでなく、L2TPやIPsecの利用も可能だ

さらに[PPTP VPNを追加]をタップすると現れる設定画面。設定名と接続先を指定する

PPTP接続ではユーザー名とパスワードの指定も必要になるが、これは接続の際に指定する。ユーザー名とパスワードを記憶させておくこともできるので、2回目以降の接続操作は簡略化できるが、安全性を考慮すれば、いちいちユーザー名とパスワードを入力する方が確実である。

作成した設定(画面例では「TEST」)をタップすると、接続を開始する。接続に成功すると、[ネットワークに接続します]が[接続されました]に変化する

PPTPで接続する際には、ユーザー名とパスワードの指定が必要

実際に試してみると、何も問題なくあっさり接続できた。何か起きる方が原稿のネタになるのだが、ユーザーの立場からすれば何も起きずにスムーズに接続できる方が良いに決まっている。

なお、利用するネットワーク環境によっては、インターネットとの境界に設置されたルータをPPTPのトラフィックが通過できない可能性があるため、出先で無線LANを使用する場合には注意が必要だが、これはLifeTouch NOTEを使用する場合に限った問題ではない。

なお、この辺が法人向けモデルらしいところだが、Androidが標準装備するVPNクライアント機能とは別に、AuthenTec社製のIPsec VPNクライアントとFortinet社製のSSL-VPNクライアントも用意してある。特にSSL-VPNは、Androidの標準機能では利用できないので、SSL-VPNを利用している会社ではFortinet社製品の利用が必要になる。