パソコンだけでなく、今日マルチタスクなしでは仕事を消化するのは難しいというイメージがあります。GTDを採用したり、タスク管理専用のアプリケーションを使って数々の仕事を効率よくこなすよう心がけている方は少なくありません。マルチタスクの長所としてプライオリティに応じて同時に行う作業を調整したり。素早い対応が出来る点にあります。

しかし、同時に行うということから、ひとつの仕事に集中しにくい環境になりがちで、時にはスケジュールの遅れの原因になる場合もあります。そこで、複数に作業を行うマルチタスクではなく、ひとつの作業に集中して次々とこなしていくシングルタスクが注目されています。以前フルスクリーンで文章を書くためのアプリケーションを紹介しましたが、同等の機能が現在アップルのPagesで実装されています。また、たとえ複数のアプリケーションを立ち上げていたとしても専用ユティリティを利用することで可能な限りシングルタスクが出来る環境を作っている方もいます。

Pages 09 のフルスクリーンモード。マウスを左側に移動させることで、複数ページ移動も簡単に行えるようになっています

タスク管理専用のアプリケーションでも、カスタマイズ次第でシングルタスクの環境を作り出すことが可能です。例えばマルチタスクの管理に強いOmniFocusも、プロジェクトの進行順序を並列進行から順次進行に切り替えることで、ひとつのタスクを行わないと次へ進めないような設定にすることが可能です。

ウェブサイトは英語で説明が書かれていますが、OmniFocus は日本語で利用することが出来ます

プロジェクトの設定パネル。上部にある「種類」から進行設定を切り替えることが出来ます

様々な角度で管理しているタスクを見ることが出来るOmniFocusでは、パースペクティブという機能があります。期限が違うアイテム、特定のプロジェクトを重要度が高い順に並べるなど、様々な表示設定を保存することが出来、メニューから選択するかショートカットで切り替えることが可能です。パースペクティブの便利な点はタスクの表示設定を保存するだけでなく、サイドバーやツールバーといったアプリケーションのUI要素の状態も保存してくれる点にあります。集中したいときは無駄な要素を省いたシングルウィンドウにすることも出来ます。

パースペクティブを利用することで、素早く要素が少ない画面に切り替えて、少ないタスクに集中することが出来ます

このようにマルチタスク専用のアプリケーションでも設定次第でシングルタスクになりそうな環境を作ることが出来ますが、シングルタスク専用のアプリケーションを探している方はNowDoThisがオススメです。自分が今しなければならない作業が大きなテキストで表示されているだけでのシンプルなページ。設定画面で今日の作業をリストにして書き込むだけ。「done.」というボタンをクリックすると、リストの次のアイテムが大きく表示されます。邪魔になる要素は何もないので、別ウィンドウで表示させ、デスクトップの何処かに配置しておくと良いでしょう。

会員登録も何も必要ない NowDoThis。まずは「edit list」から本日のタスクを作ります

幾つでもタスクを書き込むことが出来ます。書き込んだタスクは上から順にひとつずつ表示されていきます

シングルタスクにして作業をしていたとしても、押し寄せるメールの波に負けて、結局メールの返信に追われてしまう場合があります。1日、1,2回メールを書く時間を設けて、そのときだけ書くようにするのも手段ですが、早く返信したほうが良い場合もあります。シングルタスクを実践している方にとって最適なメールサービスがKukooです。

細かい設定だけでなく、現状を把握出来るグラフも提供してくれる自動返信サービス「Kukoo」

自分で設定したルールにマッチした送信者に対して自動的に返信メールを送ることを出来るようになります。たとえ本人は1日1度しかメールチェックしなかったとしても、送信者にはとりあえず返信メールが届けられるのでお互いに少し安心。ただし、このサービスの利用には送信者がKukooで発行したメールアドレスを利用する必要があるので、相手にあらかじめアドレスを伝えておく必要があるのが難点です。自動返信もケースバイケースで細かく設定出来るだけでなく、どの送信者とのやりとりが多いのか、どのタイミングでメールをチェックするのかも決められるのが魅力です。

登録前に、自分のメールと Kukoo のアカウントの関連付けがされます。発行されるアドレスは「you@address.com.kukoo.com」といった具合で自分のメールアドレスに「kukoo.com」が付いた形になります

毎日あるタスクによって身動きが取れないと感じている方は、ひとつひとつやってみると意外と効率よく仕事をこなすことが出来るかもしれません。ひとつひとつ仕事する環境は、ちょっとした工夫とツールを使うことで実現可能です。