データのバックアップは作業としては単純なのにも関わらず、あまりやらない作業のひとつではないでしょうか。しかし、いざというときにバックアップしているかいないかでは大変な違いです。パソコンはいつ壊れるか分からないですし、突然のアクシデントで大切なデータを失ってしまうこともあります。バックアップしておけば良かったと思ったときでは遅過ぎます。そこで今回は海外の大手企業も使っている、お手頃かつ簡単に使えるバックアップサービス Mozyを紹介します。

海外ではバックアップサービスの定番になりつつMozy。有料会員に登録する方はページ上のメニューにある「Sign Up」から会員登録をします

「MozyHome」と「MozyPro」の2種類のサービスだけでなく、無料で使える「MozyHome Free」もあります。無料版からまず使いたい方は「MozyHome」の紹介ページの左側にある「Sign Up Now」から会員登録をしましょう

Mozy は個人ユーザー向けで月額4.95ドルの「MozyHome」と、業務ユーザー向けで、1台のパソコンにつき基本料金の3.95ドルと1ギガバイトあたり50セントの料金がかかる「MozyPro」の2種類があります。共に使用できるディスク容量は無制限。 Pro ユーザーには Windows Server 2003/2000 のサポート、バックアップと管理が細かくできる設定機能、HTTPS proxyサポートといったサービスがありますが、1台のパソコンのバックアップさえできたら良いという場合は 「MozyHome」でも十分使えます。また、2GBまでの容量制限付きで個人向けの「MozyHome Free」という無料サービスもあります。まずは試しに無料版を使ってみるのも良いかもしれません。

メールアドレスとパスワードの他に個人情報も入力する必要があります

ネット上に大切なデータを保存するということで気になるのはセキュリティですが、多くの企業も利用していることもあり「Mozy」には強力なセキュリティがかかっています。データ転送は 128bit SSL 暗号化されているだけでなく、サーバーは Blowfish と呼ばれる 448bit の暗号によって保護されています。ログイン用のパスワードだけでなく、データ復元の際に必要になる自分専用の暗号キーも設定できるので、簡単にデータが盗まれる心配はありません。

会員登録が完了すると、Windows か Mac いずれかのソフトウェアをインストールするよう指示が出ます。インストール時に登録したメールアドレスとパスワードを入力します

会員登録が完了すると、Windows / Mac 両対応のソフトウェアをダウンロードします。バックアップや復元といったMozy の一連の操作はすべてこのソフトウェアを介して行います。つまり、パスワードといった会員情報の変更以外は Mozy にアクセスする必要もありません。バックアップは手動だけでなくスケジュールを設定して自動的に行うこともできます。

MacにMozyをインストールするとメニューバーにロゴマークが表示されます。バックアップは自動的に行われますが、手動で行いたいときやデータ復元したい場合はここから操作をします

バックアップするデータは手動で選択できますが、メールデータ一式、プレゼンテーションファイル一式といったMozyが予め用意しているプリセットもあるので、ファイル階層を辿って探す手間もありません。バックアップはシステム側で自動的に処理されるので、仕事を中断することもありません。Mozy の利用を始めた直後の最初のバックアップはすべてのデータをアップロードしなければならないので時間がかかりますが、2回目以降は差分のみをアップロードするのですぐに処理が完了します。各バックアップはバージョンとして管理され、どのバージョンも復元することが可能です。

バックアップはプリセットを使うだけでなく、特定のファイルを選択することも可能です。スケジュールやメールは特定のメールボックスやカレンダーを選択といった詳細設定もできます

バックアップはバージョン管理がされており、メニューのRestore Filesからどの版でも復元ができるようになっています

ネット上にバックアップすることに不安を感じる方もいるかもしれませんが、手元にあるハードディスクのほうが安全であるという保証はありません。ディスクの損傷や盗難といった心配をしなくて済むという点では、ネット上にバックするほうが安全といえるでしょう。Windows、Macで動作するバックアップ用のソフトウェアは幾つかありますが、コストパフォーマンス、安全性、使いやすさを考えると Mozyはトップクラス。まずは、バックアップするという癖をつけることを心がけましょう。