ファーストフードレストランの卓上でペーパーナプキンをよく見かけますが、特にアメリカでは何処にでもある身近なもので、ドラマでもアイデアを書くときに使う小道具として登場します。業界に大きな影響を及ぼしたビジネスも実はナプキンに書かれたアイデアが最初だったというエピソードも少なくありません。メモ帳かわりとして使われるナプキン(ナプキンスケッチ)には様々なアイデアの原石が眠っているようです。
写真共有サービスFlickrには、ナプキンスケッチをテーマにしたグループがあります。そこにはナプキンに書かれた何気ないスケッチや詳細まで書き込まれたアイデアを観覧することができます。幾つか見るとわかりますが、例え同じ人が描いたスケッチでもスタイルに拘ることなく自由に描いているのがわかります。普通の人が何気なく描いたものではなく、デザイナーが真剣に描いたものを見たい方はCatia Napkin Sketch Contestの受賞作品がおすすめです。ナプキンスケッチの優秀作品を決めるというコンテストで全750もの作品の中から優秀作品の70作品を観覧することができます。スケッチの質が高過ぎて参考と呼べるものが少ないですが、それでも完成品になる前のプロトタイプを見ているようで興味深いです。
そんなにアイデアが書き込まれるナプキンであれば、この際ナプキンそのものをノートにしてしまおうということで生まれたのがNapkin Notebook。文字通りナプキンがバインドされているだけのシンプルな作りです。別にナプキンでなければいけないというわけではありませんが、先人にならってナプキンで書くことで自分も良いアイデアを書けるのではないかという感覚をこのノートは持たせてくれそうです。今のところニューヨークのMoMAストアの店内のみで販売されていますが、将来的には日本のMoMAストアをはじめオンラインでも購入できるかもしれません。話題作りのひとつにも良さそうです。
ナプキンや紙切れに何かを書き込むことは誰でもできることですが、ただ書き込めば良いというわけではありません。以下の5点に気をつけて書き込むとナプキンスケッチがより仕事に活かされるでしょう。
-
シンプルに保つ
- 詳細は後にしてまず漠然としたものを掴んでおく -
キーワードはきちんと書く
- 絵が中心のスケッチも後で思い出せるように日付やキーワードを入れておく -
見た目は拘らない
- 奇麗に描くことが目的ではないので、そこに時間を費やさないこと -
ルールを破る
- 定型フォーマットを作ることは避ける -
隠さない
- ナプキンスケッチに描いたアイデアは共有してブレインストームに役立てる
もうおわかりのようにこれはデザインラフやアイデアスケッチを描くときにも共通することです。様々なアイデアをナプキンに描いていく必要はありませんが、ナプキンのような身近にあるようなものでも良いので、思いついたときにすぐアウトプットするのは大事なことです。アイデアというのは閃光のように現れては消えていくことがあります。そのときは覚えていても肝心なときに忘れてしまうこともあると思います。
思いついたことを頭の中にしまっておくのではなく、積極的に外に書き出していくほうが良いのはアイデアに限らずタスクや予定の管理など様々なことについていえることです。すぐにアウトプットできるようにするためにも常にペンは持ち歩いていたほうが良いかもしれませんね。