手帳で管理していたTo Doを最近ではパソコンや携帯電話に移行している方も少なくないと思います。ノートパソコンか携帯電話で行うほうが、リストの書き込みや整理が柔軟にできますし、最近はデスクトップアプリケーションだけでなく、Web上のサービスでも便利なものが増えてきました。仕事や生活に関わる道具は利便性が最も重要な点ですし、それはTo Do管理も例外ではありません。便利に使いたいTo Doリストですが、手帳でもパソコンでも、タスクを達成したときの満足感や楽しさはそれほどあるとはいえません。Chore Warsはそんな平凡なタスク管理をロールプレイングゲーム感覚でできる変わったサービスです。

ぱっと見、硬派なロールプレイングゲームのサイトのように見えなくありませんが、キャラクターがお掃除用具を持っています

お得意先にメールする、デザインの別案を提出するといった仕事関連から、机をきれいにするといった日常生活にも当てはまるものまで、毎日はタスクで溢れています。ゲームでは敵を倒したり目標を達成したりすると、経験値やお金が手に入りますが、ゲームと同様Chore Warsでもひとつのタスクを完了する度に、経験値やお金をはじめアイテムや特殊能力などを得ることができます。Chore Warsで作ったキャラクターを毎日の生活を通して徐々に成長させることができるわけです。何かタスクをこなしたら、アドベンチャー(クエスト)のリストから完了したタスクを選択し、自己申告することで経験値を得ることができます。

会員登録ではメールアドレスも必要としないので気軽にはじめられます。登録の際にはキャラクターの顔と、得意分野は何かを選択します。選択項目に応じてキャラクターのデフォルトの値が決定します

自分のページはキャラクターのステータスと最近完了したアドベンチャーを一望できます。アドベンチャー名をクリックすると今までどれくらいの頻度で同名の冒険をしたのかも分かります

ひとりでも「冒険」、つまり利用することができますが、パーティー(グループ)を組んで複数人で利用すると、よりロールプレイングゲームの雰囲気が増します。This Weekという一週間でどれだけ冒険をしたのかわかるページもあるので、今週はどのプレーヤーが活躍してどれくらい成長したのかもわかるようになっています。

ひとりでするより複数人で利用したほうがChore Warsの楽しさは増します。名前を付けてスタートするか招待用のURLアクセスすることでパーティーを組むことができます

アドベンチャーの新規作成画面。上位二項目である冒険の名称と経験値は必須ですが、残りはすべて任意です。どれくらいの確率でアイテムを入手することができるかといった部分まで細かく設定ができます

アドベンチャーの一覧ページ。このページの右側にある「Claim This」をクリックして完了を告知することができますが、ページ右上にあるプルダウンメニューからも告知が可能です

Chore Warsはこうしたゲーム感覚のタスク管理を可能にしてくれるサービスではありますが、ゲームそのものの世界観はそれぞれのユーザーに委ねられています。つまり、パーティーメンバーが経験値を得るためのアドベンチャーはすべてユーザーが作る必要があります。それぞれのアドベンチャーに対してどれだけの経験値やお金を得ることができるのかだけでなく、アイテムを獲得したり、キャラクターのどのスキルが上がるのかなど細かく設定することができます。必須項目はアドベンチャーの名称(つまり実際のタスク)と経験値だけなので、簡単にアドベンチャーを増やすことはできますが、細かく作り込めばそれだけゲームの世界観が色濃くなりますし、また冒険をしたいと思えるようになるかもしれません。アドベンチャーのLocation(場所)がアドベンチャーリストのグループ分けに使われるので、Home(家庭用)、Office(仕事用)とあらじめ振り分けておくと見やすいです。

アドベンチャーを完了した際に簡単なコメントを追加することもできます。また、最長1週間前までの告知が可能なので、毎日アクセスしなくても数日ごとにまとめて告知するといった使い方も可能です

パーティーリーダーがゲームマスター的な役割を果たしているので、他のパーティーメンバーが楽しくタスクをこなすためには、仕掛けを作り込む必要があります。こうした他のタスク管理にはない手間がこのサービスにはありますが、ゲーム的な要素を組み込むことによってモチベーションが上がるときもありますし、定期的に検証が必要なグループでの仕事がある場合はChore Warsを試してみるのもおもしろいと思います。便利なサービスとは言い難いですが、平凡な日々のオペレーションを楽しくこなすための工夫をするだけで仕事の見方も変わるというひとつの例といえるでしょう。