オンラインのアウトラインソフト
プレゼンテーションや企画書の制作準備、議事録、セミナーや授業のノートテイキングなどに使えるのがアウトラインソフト。情報を箇条書きにできるので、あとから確認しやすいですし、箇条書きという性質上、文章を明確で簡潔に書く癖がつくかもしれません。Microsoft Word でもアウトラインビューがありますし、オンラインで使える Google Docs でもアウトラインを作ることができますが、箇条書きしたアイテムの順番を変えたり階層を作るのが面倒なときがあります。アウトライン作成を専門としているデスクトップアプリケーションだとアイテムの整理をドラッグ&ドロップ、もしくはショートカットで行えるようになっていますが、iJot はそういったアプリケーションの使い勝手をオンラインで実現しているサービスです。
ハイパーリンクや画像も貼付けることができる
オンラインで使えるアウトラインWebアプリケーションは幾つか存在しますが、iJot は日本語がきちんと使えるだけでなく機能も充実しています。アウトライン作成で必須ともいえるアイテムのドラッグ&ドロップによる整理はもちろん、tabキー、shift+tabキーを使って自由自在にアイテムの階層を変更することができます。Enter(Return)キーを押すと自動的に新しいアイテムを作るためのフィールドへ移動するので、アイテムの追加はキーボードだけで次々と行うことができます。アイテムに書き込む文章を太字や斜体にするようなワープロでおなじみの機能は揃っていますし、ハイパーリンクや画像も貼付けることができるので文章だけでは補えない情報を付けて、アウトラインに深みをもたすことが可能です。まずは思いつくままに文章を書いて、あとでじっくり構成を考えるといった作業工程を可能にしてくれるのが、このアプリケーションの魅力でしょう。
会員登録すると [http://ユーザー名.ijot.net/] という自分のページが公開されます。この場で編集できますし、管理画面 [http://ijot.net/] で今まで作ったアウトラインを編集することも可能です。自分のページの見た目は管理画面の「option」にある「layout」から自由に選択することができます |
プライベートモードはないが非公開にすることは可能
ビューワーとしても優れており、階層の折りたたみや展開の操作も軽快ですし、折りたたまれているアイテムにマウスポインタ重ねると展開しなくても下階層の文章が表示されるプレビュー機能も実装されています。アウトラインの保存設定次第で、観覧者もアウトラインの編集作業に参加させることができます。iJot にはプライベートモードというのがなく、作ったアウトラインは基本的に一般公開されるわけですが、ドラフトとして保存することで非公開することができますし、notes という一時的にアイテムを置いておける場所を利用するという方法もあります。
画面左側のファイルビューの名称の左側に表示されているアイコンをクリックすると編集することができます。画面上にある「whoosh」というタブをクリックするとファイルビューや右側のユティリティ画面が非表示され、編集に集中しやすくなります |
アウトライン機能をブログシステムとして利用
iJot にある独特の機能といえばブログです。アウトライン作成をメインとしているわけですが、このアウトライン機能をブログシステムとしてそのまま利用することができます。画面左側に表示されるファイルビューから新規でブログエントリーを作ることができますし、既に作成したブログエントリーのページから直接編集することも可能です。さらに簡易版のフィードリーダーも実装されています。フィードリーダーに特化したサービスには機能面で劣りますが、日本語のフィードも読むことができますし、アウトラインビューを使ったリーダーなので、流し読みに適しているでしょう。カンファレンスやセミナーへ行ったときのレポートブログを書き、スピーカーやイベントに関するフィードを集めておくといった特化した使い方をしても良いかもしれません。
保存にも様々な詳細設定が用意されています。観覧者に編集を容認したり、変更を RSS で配信したりすることが可能です。OPML で書き出す機能もありますが、残念ながら日本語がサポートされていない模様です |
単なるアイデアをまとめておくノートとしても使えますが、使い方次第でそれ以上の広がりを見せてくれる iJot。アウトラインの魅力を体験するのに十分な機能が揃っているといえるサービスだと思います。