「週刊こむぎ」の中で何度か解説していますが、悟りを開いた状態は、物事への執着(好き嫌い・欲しいなど)がなく、すべてのものを「ありのまま」に見ている状態とされています。

例えば、パンを目の前にして「あれは私の好きな〇〇パンだ」「あれはおいしそうだなあ、食べたいなあ」と思うのではなく、「あれは小麦粉をこねて焼いたものだ」「目が知覚した色の集まりに過ぎないのだ」(だから執着してもしかたがない)と認識するイメージです。 もちろん、これを理屈でわかっていても、われわれの生活の中でしみついている認識の仕方を変えるのはとても難しいことで、ついつい好き嫌いや欲しいといった欲望がついてきてしまうものです。ですので、知識を得るだけでなく実践としての修行が必要になってきます。

悟りの知見を得るにはたくさんの修行が必要ですが、このように認識の方法を変えてみると、単に名前で呼ぶことによって覆い隠されていた対象の本質や、意外なもの同士の接点に気付くことができるのではないでしょうか(例えば、いろいろな料理をその名前を用いず『AをBしたもの』などと呼んでみることで、どのような材料をどのような方法で調理したものかに着目できる、もしくはその成り立ちを「知らない」という事実に気づくなど)。

あえて「ありのまま」を意識して周囲のものを見ることで、アイデアを得られたり、気付いたりすることがたくさんあるかもしれません。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。その後、「こむぎこをこねたもの その2」、「こむぎこをこねたもの その3」、「こむぎこをこねたもの その4」をリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。