今日はこむぎこ寺に雪が降っています。
こねりが火を焚いてお茶を沸かしているようですが、
寒い中誰かお客が来るのかもしれませんね。
今週は、そんな冬の景色のような、禅の言葉をご紹介します。
禅の問答を集めた書物「碧巌録(へきがんろく)」に、
「荊棘林(けいきょくりん)を透る衲僧家、
紅炉上一点雪(こうろじょういってんのゆき)の如し」
という言葉があります。
「いばらの林のような修行の道を通り抜けてきた禅僧は、
いかなる雑念や煩悩も、紅く燃える炉に落ちる雪のように
一瞬で消してしまうだろう」という意味の言葉です。
心を燃やすように、無心で物事に取り組んでいる間は、
外の出来事に反応することなく、
雑念や迷いが生じることもなかなかありません。
逆に、何か嫌なことがあったとして、
そのことばかりを考えていると
ずっと嫌な気持ちを抱えたまま過ごさなくてはなりません。
ついつい周りのことが気になったり、
嫌な気分になることを繰り返し考えてしまうときは、
自分のすべきことに目を向けて、ひたすら集中してそれを行ってみましょう。
手持ち無沙汰な時は、
空気の流れやお腹の動きだけに集中して深呼吸をしてみたり、
安全な場所で足を動かす感覚だけに集中して歩いてみたり、
といった方法を試してみても良いでしょう。
心に生じた雑念が、雪のように溶けていくかもしれません。
■こむぎこをこねたもの、とは?
■著者紹介
Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」、「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。
「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。