まだまだ暑い日が続きます。
そんな時でもこねたものたちは、鍋にせいろにかまどの中に、
澄ました顔でこむぎことしての役目を果たしています。

こねたものたちが声を揃えて言っている「心頭滅却すれば火もまた涼し」。
火を冷たいと感じられる方法があるよと言っているのではなく、
「無心に物事を行えば、苦しいことなど気にならなくなる」
といった意味に解釈される言葉です。

「暑いときは徹底して暑さそのものに溶け込む。
そうすれば暑さは気にならなくなる」というイメージも語られます。

難題や逆境を目の前にして不安を募らせているよりは、
それらの中に溶け込んでしまった方が、
悩みは気にならなくなるのではないでしょうか。

技術書や問題集をパラパラと見て
「こんな難しいことできるわけがないよ!」という印象を抱いても、
いざ順を追って勉強してみたら意外と理解できたり、
「面倒だ、やりたくない」と思っていた仕事も、
いざ始めてみるとやる気が出る、なんてこともあるはずです。

暑い中、色々なことが億劫になりがちですが、
「まずはその中に溶け込む」つまり「まずやり始めてみることから」を意識し、
思い切って動いてみると、何かと物事は進んでいくものかもしれません。


■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。