北良は、「誰でも、どこでも、自由に暮らす。」をコンセプトとして、さまざまな境界線に隔てられることなく、自然や愛着のある地域とつながりながら暮らしていくオフグリッド居住モジュール「WHOLE EARTH CUBE」を開発した。このWHOLE EARTH CUBEには、とても興味深いテクノロジーが活用されている。ではオフグリッド居住モジュールとはどのようなものだろうか。また、どのような企業が共同参画しているのだろうか。今回は、こんな話題について紹介したいと思う。
オフグリッド居住モジュール「WHOLE EARTH CUBE」とは?
WHOLE EARTH CUBEは、北良によると、東日本大震災での被災経験から、大規模災害によって電気や上下水道などのインフラを喪失した場合に、人工呼吸器を使用する在宅医療患者などの災害弱者を家族らとともに長期間かつ安全に収容することを目的に開発された、自律分散型インフラを搭載する移動可能な居住空間だという。モジュール内部のイメージも公開されており、木材を基調とした自然味のある明るい空間が広がっている。
そしてWHOLE EARTH CUBEには、循環型水処理技術が搭載されている。その技術を提供しているのが、WOTAという企業。既存のインフラに依存することなく、電気や上下水道など生活に必要なインフラを長期間維持することが可能だ。また、排水を欠かさず回収し、膜処理・生物処理・殺菌処理などにより再生することで、安全に循環利用できる。
さらにMUSVIのテレプレゼンシステム「窓」も搭載している。このシステムを搭載することで、距離や地域の制約を越えて、さまざまな地域や人との繋がりを実現することができるという。
WHOLE EARTH CUBEは上述以外にも、全長12m・幅2.5m・高さ3.8mのサイズ高断熱高気密木造ユニットで、屋根に敷設された太陽光パネル・内蔵されたLPG発電機・外部電源の3系統から蓄電池に充電された電力を使用する。そして、WHOLE EARTH CUBEは公道が走行可能なトレーラー車両で、陸上輸送が可能。加えて、外壁に防腐・防蟻かつ耐候性処理された針葉樹の穿孔合板を採用し、ユニットのほぼ完全な木造化を実現しているという。
いかがだっただろうか。WHOLE EARTH CUBEは、2022年10月18日から10月21日の4日間開催された「CEATEC 2022」で、北良・WOTA・MUSVIの3社によって共同出展された。本当に「誰でも、どこでも、自由に暮らす。」を実現してくれる、すごいモジュールだ。