Sea Wave Energy Limited(SWEL)は、波力発電用コンバータであるWave Line Magnetを開発。このWave Line Magnetを海に浮かべることで、波によって発電できるのだ。では、このWave Line Magnetとはどのようなものだろうか。今回は、そんな話題について紹介したいと思う。
SWELのWave Line Magnetとは?
キプロスと英国に拠点を置くSea wave energy limited (SWEL)は、波力発電用コンバータのWave Line Magnetを開発。彼らはこのWave Line Magnetについて、10年以上にわたり数々の特許も取得しているという。
では、海に浮かべ波を受ける力で発電できるというこのWave Line Magnetとはどのようなものだろうか。そして、どのように発電するのだろうか。
何十個も連なる板状の黄色いエレメントをご覧いただきたい。この板状のエレメントが連なっていて、波の動きに沿うように上下に変形・移動する。またエレメントの中央部分には、先端から末端までそれぞれに固定された発電機が設置されている。
この発電機と板状のエレメントはレバーアームで連結され、海の波を受けて上下に振幅することで接続されたレバーアームが動き、発電機を回転させ発電している。世の中には波力による発電方法が何種類か存在し、多くは海水の波で直接タービンを回し発電するというものが多いが、今回の場合はその動力を波の振幅で得ていることになる。ぜひ、以下の動画もご覧いただきたい。
Wave Line Magnetは、プラスチックや強化プラスチックを使用しているため、軽量かつ低コストだという。また、軽いため輸送や保守・点検も容易で、リサイクル材料を使うことで環境にも優しいというメリットもある。また発電量については、最終的に100MW(約2万8000世帯分)もの発電が可能になる見通しだというから驚きだ。
いかがだったろうか。他の波力発電とは異なったユニークなテクノロジー。しかも海上でこの発電電力を活用し、水素や酸素の製造や、海水の淡水化、つまり飲み水の生産を行うことも可能だという。また、他の動画ではWave Line Magnetに人が立ち作業している様子もあり、これは船舶の動力源としても利用できるのではないかと筆者は感じた。ほかにも、核融合発電の重水素製造に活用はできないだろうか。発想は膨らむばかりだ。