2022年10月4日、スクリエは、同社が開発した「酸蝕症歯科健診AI」が基本特許を取得したとのプレスリリースを発表した。では、スクリエの酸蝕症歯科健診AIとは何か、そしてどのようなメリットがあるのか。今回は、そんな話題について紹介したいと思う。
スクリエの「酸蝕症歯科健診AI」とは?
最初にスクリエを紹介したい。スクリエのミッションは、「お口の健康から"生きる"を変える」。事業としては、口腔内撮影ミラーを用い、スマホを使って自宅でできるオンライン歯科健診サービス「HAKKEN」を開発している。
同サービス開発の理由に、歯科人材不足がある。スクリエが収集したデータから定型的な健診を自動化する画像解析歯科AIを開発することで、歯科医師や衛生士にオンラインという新しい働き方を提供し、歯科人材不足の問題を解消することを目指しているのだ。
そして今回紹介する取り組みが、酸蝕症歯科健診AIだ。
酸蝕症をご存知だろうか。酸蝕症とは、身近な酸性の飲食物や胃液によって歯が溶かされる疾患のことだ。また「塩酸、硫酸、硝酸などを扱う工場において酸のガスやミストが直接歯に作用して、表面が溶ける」ことで起こるという、職業病の側面もある。このような職業では労働安全衛生法に基づき、6ヶ月以内ごとに1回定期的に歯科特殊健診を行い、酸蝕症が職場に起因するのかを診断することになっている。しかし、歯科医師が労働者ひとりひとりを診察し、職場に起因する酸蝕症であるかどうかを診断するのは、非常に効率が悪いという問題があるという。
そこでスクリエは、AIで労働者の口腔画像を解析し、酸蝕症が職場に起因するものかどうかを検出する基本特許技術として酸蝕症歯科健診AIを発明した。これにより、非常に効率的に酸蝕症を検出することが可能になり、患者の過去の口腔内画像と比較することで、酸蝕症の程度や進行度も簡単に検出することができるのだ。
いかがだったろうか。スクリエは、酸蝕症歯科健診AI以外にも数多くの特許を出願・取得しているというからすごい。さらには、酸蝕症やオンライン歯科健診という患者視点のサービスと、新しい働き方を提供し利便性向上や利益が増大への貢献を目指す歯科医師・衛生士視点の両方でメリットを提供している点に、驚きと魅力を感じる。今後、どのような特許やサービスを仕掛けるのかとても楽しみだ。