サウジアラビアの巨大スマートシティ計画「NEOM」において、全長170km、幅200m、高さ500mの未来都市「THE LINE」のデザインが発表された。まるで万里の長城を直線にしたようなイメージを持つこの都市は、最終的に約900万人を収容でき、あらゆる施設に徒歩5分で到着することができるなど、人と自然と経済が高次元で融合した未来都市だ。ではこのTHE LINEとは、どのようなものだろうか。今回は、そんな話題について紹介したいと思う。
未来都市THE LINEとは?
まず、NEOMから紹介したい。
NEOMとは、サウジアラビアの巨大スマートシティ計画のことで、紅海の北側、サウジアラビア北西部で計画されている新しい産業都市。このNEOMにおいて、未来都市THE LINEのデザインが発表されたのだ。
このTHE LINEは、NEOMにおいて海岸砂漠、山脈、渓谷を一直線に貫く未来都市で、全長170km、幅200m、高さ500mという特徴的な形状を持つ。この形状を持つことで、従来型の都市の2%程度の敷地面積で済むという。そしてNEOMの95%の自然保護区の環境を壊すことなく維持することも可能だという。
THE LINEについては「レストレイティブシティ」という表現も使われていて、人と環境と経済の3つをうまく融合させることができるというコンセプトも有しているのだ。
また、THE LINEの外壁はミラー(鏡)で作られるという。これにより自然に溶け込み一体化したような外観となるのだろう。
では、THE LINEの内部は、どのようになっているのだろうか。以下の図をご覧いただきたい。小売店、オフィス、医療機関、レジャー施設、ホテル、教育機関、住居などが絶妙に入り組んだ最適化された階層型構造を有している。この構造を採用することであらゆる施設まで5分で徒歩でいくことができるというのだ。
自動車も利用することなく温室効果ガスの排出もゼロだ。また自然による換気を実現し、内部は一年中快適な環境で過ごすことが可能だという。エネルギーも100%再生可能エネルギーを採用。また、全長170kmもあるTHE LINEの端から端までリニアモビリティーを整備。わずか20分ほどで往来することができるという。
さらに居住者に対しては、AIが自動で認識し、個人個人に最適なサービスを提供するシステムを採用するようだ。
ちなみに、THE LINEの紹介動画も配信されているのでぜひご覧いただきたい。
いかがだったろうか。THE LINEは、レガシーが存在しない都市、次世代の建築様式、徒歩が中心のコンパクト化されたエコな垂直都市、最適化された居住性とワークライフバランスの最適化など付加価値の高いものになっている。
これが実現すれば、世界全土へとインパクトを与えることは間違いないだろうが、未来都市THE LINEを皆さんはどのように感じただろうか。とてもワクワクするのは筆者だけだろうか。
2022年9月14日訂正:記事初出時、「この都市には約8万人を収容」と記載しておりましたが、正しくは「最大収容人数900万人」となりますため、当該部分を訂正させていただきました。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。