フードイズムは、日本で特許を取得しているエイジングシートを活用して、業界では類のない、ホルモンの発酵熟成に成功したと発表した。
確かに熟成肉と聞くと赤身部分が多い印象でホルモンの熟成というのは耳にしたことがない。
では、このエイジングシートとはどのようなものなのか、エイジングシートを活用してホルモンの発酵熟成に成功したとはどのようなことなのか、今回はそんな話題について紹介したいと思う。
ホルモンを熟成できるエイジングシートとは?
まず、エイジングシートとはどのようなものなのだろうか。
それは、肉の熟成に利用できる人体に無害な“菌”を純粋に培養し、回収した胞子を付着させた布のことだ。
エイジングシートの製造技術は、ミートエポックと明治大学が共同で特許を取得し2016年7月に実用化されている。
では、エイジングシートを使うとどのようなメリットがあるのだろうか?
実は、これまで熟成肉や熟成魚というものは、プロの匠の技に頼られて作られてきた背景がある。それは、熟成した製品を製造する特殊な環境を整備したり、熟成製品自体の腐敗のリスクがあったりするからだ。
しかし、このエイジングシートがあれば、肉を包むだけで、シートに付着させた熟成に必要な菌が短時間で増殖する。
熟成を促すだけでなく、酸化速度抑制効果によって食品の変色や腐敗を遅らせることも可能だ。
通常の熟成に必要な日数の3分の1以下となるおおよそ20日から30日の短い期間で、安全にそして安定的に発酵熟成肉を製造することができるのだ。さらに、従来より肉・魚の保存期間を延長することができるので、フードロスにもつながるというわけだ
実際に熟成したホルモンは?
では、このエイジングシートを活用することで熟成させたホルモンはどのように仕上がったのだろうか。
フードイズムによると、鮮度が重要であったホルモンを安全に熟成させることで、従来にはない熟成の味わいを実現できたという。
旨味成分であるアミノ酸は約3倍に増加したという。通常、ホルモンは鮮度が重要で3日も経過すると味わいも悪くなり味は格段に落ちてしまうのだが、エイジングシートの活用により、抗酸化性が高まり、変色の抑制や脂の酸化を防ぎ、まったくパサつかない味わいとなったのだ。
また、ホルモンは冷凍してしまうと、ドリップが出ることが多く、できる限り新線な物が良いとされているが、発酵熟成後であれば冷凍しても劣化しづらい状態にすることが可能だという。
いかがだったろうか。フードイズムは、このエイジングシートを活用することで、鮮度が重要なさまざまな食材の保存期間を延長するとともに美味しさを届けていくという。
フードイズムの発酵熟成ホルモンは、クラウドファンディングのMakuakeにて販売が開始されている。