マサチューセッツ工科大学(MIT)は2022年7月28日、「MIT engineers develop stickers that can see inside the body」というタイトルのプレスリリースを発表した。これは、切手サイズのステッカー型デバイスで、皮膚に貼り付けることで体内の様子を画像化できるものだ。

では、このMITが開発した体内の様子を見ることができるステッカー型デバイスとはどのようなものだろうか。今回は、そんな話題について紹介したいと思う。

  • MITが開発した切手サイズの超音波診断ステッカー

    MITが開発した切手サイズの超音波診断ステッカー(出典:MIT)

体内を見ることができる切手サイズのステッカー型デバイスとは?

MITが開発した体内の様子を画像化できるステッカー型のデバイス。

では、なぜMITはこのようなものを開発したのだろうか。実は、このステッカー型デバイスは、超音波を利用した非侵襲なものだ。読者のみなさんにおいても健康診断、人間ドックや妊娠における超音波検査などを経験したことがあるだろう。

その際の機器を思い出してほしい。病院などでのみ利用できる大型で特殊なかさばる機器だ。このような大型で特殊な機器でなくても容易に超音波診断ができるものを開発したのだ。

では、具体的にどのようなものだろうか。大きさは2cm四方で厚みは3mmほどだという。このデバイスは、大きく2つで構成されている。1つはトランデューサー、もう1つは伸縮性のある接着、粘着層だ。ご存知の通り、トランデューサーは、超音波を体内へと送信し、内部で反響して戻り、そのエコー信号を画像化するもの。

トランデューサーはアレイ状にすることで皮膚や体の形状にも対応できるように柔軟性を持たせているという。また、伸縮性のある接着、粘着層は、音波を容易に伝達することができる大部分が水でできている材料の固体ヒドロゲルの中間層をカプセル化したエラストマーの2つの薄い層から作られている。

現時点では、48時間連続で体内の画像を提供できるという。今後は、さらに持続時間を伸ばし、体内の深部まで画像を提供できるようにしていくという。

MITが開発した切手サイズの超音波診断ステッカーの動画

いかがだったろうか。将来は、ウェアラブルデバイスのように身に着けることで長時間の体内の画像を取得できるようにするという。

また、今後は、薬局やコンビニなどで気軽に購入できるシーンも増やしていくという。具体的な利活用シーンとしては、例えば、トレーニング中にオーバーワークとなり筋肉、腱、骨などに損傷が生じる前を検知しトレーニングを止めるなども可能だという。

すごい未来が来そうだ。