博報堂は、東京大学の鳴海拓志准教授と共同で、クロスモーダル知覚で企業のブランド体験を進化させる実証実験「Human X Experiment(ヒューマンクロス エクスペリメント)」を開始した。
この実証実験の第1弾は、「ビールのおいしさを増幅させる音楽」。では、この第1弾実証実験の「ビールのおいしさを増幅させる音楽」とはどのようなものだろうか、今回はそんな話題について触れたいと思う。
第1弾実証実験「ビールのおいしさを増幅させる音楽」とは?
博報堂は2022年5月25日、クロスモーダル知覚を活用した実証実験、Human X Experimentを開始した。ちなみに、クロスモーダル知覚とは、赤い色を付けた甘味料が入った飲み物はイチゴ味を連想させるなど視覚と味覚、視覚と聴覚など、本来別々とされる知覚が互いに影響を及ぼし合う現象のことだ。
博報堂内には、「Human X」というクロスモーダル知覚を活用した独自のプロダクトやサービスの開発に取り組むチームが存在する。このチームを中心に、クロスモーダル知覚がブランド体験やブランド・トランスフォーメーションにどのように活用できるかを実証研究する活動をスタートさせたのだ。
具体的な活動としては、生活者の日常に関連が深いテーマを起点とした「〇〇×五感体験デザイン」の実験シリーズに取り組み、異なる感覚の組み合わせで、生活をより豊かにする仕組みを感性的かつ科学的に開発していくというものだ。
その第1弾の実証実験が「ビールのおいしさを増幅させる音楽」なのだ。
では、この「ビールのおいしさを増幅させる音楽」とはどのようなものかというと、ビールを飲みながらこの音楽を聞くと、ビールのさまざまな食感が際立ったり、新たな美味しさを体験したりすることができる音楽なのだという。
リアルな音の誇張された表現によって高い臨場感を感じたり、別の効果音を組み合わせることで、食感を連想させたり、ビールの美味しさを増幅させることができるという。飲む前に聞いて期待感を高めるイントロから、「クリーミー感を増幅する音楽」、「炭酸感を強める音楽」、「のどごし感を増幅する音楽」と、一連の楽曲を聞きながらビールを味わうことで、時間の経過も含めた新たな美味しさを体験することができるのだ。
ちなみに「ビールのおいしさを増幅させる音楽」は、プレスリリースサイトから直接再生することもできる。
また、Spotifyでも無料配信されている。ぜひアクセスしていただきたい。
いかがだっただろうか。また、興味深いプロジェクトが始動した。ビールという飲む前から飲んでいるときを含めた一連のプロセスにおいて、音楽が味覚などを一変させるのだ。未来では、感覚というものは、完全に制御できるようになるのかもしれない。