NGAは2022年6月8日、自社が開発したペット総合アプリ「Pet」に、独自の鼻紋認証技術を実装したというプレスリリースを発表した。
これは日本初の試みだという。では、このペットの鼻紋認証機能はどのように役立つのだろうか。今回はそんな話題について触れたいと思う。
NGAが採用したペットの鼻紋認証技術とは!
NGAは2022年6月8日、自社が開発したペット総合アプリ「Pet」に、独自の鼻紋認証技術を実装したというプレスリリースを発表した。このペット総合アプリ「Pet」とは、ペットの写真や動画の投稿、コメント投稿を通じて飼い主同士の交流だけでなく、ペットの育て方やさまざまな商品・サービスなどの情報も集まるSNSアプリだ。
実は、この鼻紋認証技術は、AI技術の研究開発を行う「AiBank.jp」が開発した技術。すでに、この鼻紋認証技術は、和牛の品質管理に活用されることが検討されているようだが、NGAは先駆けて採用したという。「AiBank.jp」のCEOとNGAのCEOは、王沁氏。
では、この鼻紋認証とはどのような技術なのだろうか。鼻紋とは、ペットの鼻にある固有の紋様であり唯一無二である。人間の指紋や眼球の虹彩のようなもの。個体を識別することができるのだ。
ではなぜ、NGAは今回ペット総合アプリ「Pet」にこの鼻紋認証技術を搭載したのだろうか。
それは、動物愛護管理法が改正されたことに由来する。2022年6月1日から販売前の犬や猫には、マイクロチップを埋め込むこと、そしてペットの所有者の情報を登録することが義務化されたのだ。そして、すでにペットを飼っている人には努力義務が生じるのだが、実は、政府もペットの迷対策を重要視している。特に、ペットが迷子になる前にどのように防止するのかと、迷子になった後のペットを特定できる方法だ。その際にこの鼻紋認証技術が有効だと考えたのだ。
では、この「Pet」の鼻紋認証技術はどのように活用されるのだろうか。それはとても簡単だ。鼻紋を採取するだけで、具体的には、ペットの鼻紋の写真3枚をアップロードして、鼻紋登録は完成だ。これにより鼻紋による個体識別が可能となり、迷子になったペットの鼻紋とデータベースと照合するだけ。あとはAIによる自動認証を行うことで個体を識別することができるのだ。
いかがだっただろうか。NGAは、ペットの迷子対策だけでなく、ペット保険やペットのワクチン接種、また動物病院での受診、ペット同伴可能なホテルでのチェックインなどさまざまなシーンでこの鼻紋認証技術の活用を検討している。
ペット市場のバリューチェーンが大きく変更する、そんな予感がするとても素晴らしい技術とビジネスモデルだと感じる。