2022年6月1日、LAVA international(以下、LAVA)と同志社大学は、ホットヨガのアンチエイジング効果を医学的に検証したというプレスリリースを発表した。

具体的には、ホットヨガが、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の活性や健康面の指標などに対して医学的に改善効果があった、という内容だ。今回はそんな話題について触れたいと思う。

ホットヨガが与えるアンチエイジング効果とは?

LAVAは、ホットヨガスタジオを全国450店舗以上手がけている企業。知らない方は、いらっしゃらないだろう。

  • LAVA international

    LAVA international(出典:LAVA)

今回LAVAは、同志社大学生命医科学研究科/アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授との共同研究により、ホットヨガとアンチエイジングの効果について医学的な検知から検証を行った。

実は、ヨガの心理的ケアやリハビリテーションとしての活用についての研究は、多いというが、遺伝子を含む身体に対するヨガの研究は、世界でもまだまだ数が少ないという。そして、常温のヨガや岩盤浴や温泉療法といった温熱療法の広義な意味での「ホットヨガ」についても研究は、まだまだ十分ではないという。

では今回、LAVAと同志社大学は、ホットヨガのアンチエイジング効果の医学的な検証をどのように行ったのだろうか。

まず、健常で普段運動を行っていないと自覚している20歳~59歳までの日本人女性53名を対象に、室温35℃前後、湿度60%前後という環境内で1回60分のホットヨガのレッスンを週2回、12週にわたって実施してもらい、モニター調査を実施。

その後、ホットヨガをせず、日常生活を記録した対照群と比較し、身体に及ぼす影響を検証したという。

調査実施前と実施後において、アンケート調査のほか、体構造の全体測定、部位測定、柔軟性測定、皮膚測定、老化関連マーカー測定、ストレス評価、血圧測定、血液生化学検査、血液学的検査などを行った。

その結果、まず、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の発現量が上昇したこと、糖代謝に関するHbA1cの低下が確認されたこと、角層水分量、シワ・キメの皮膚状態において改善がみられたこと、体重・体型・柔軟性において軽度の改善が見られたこと、心身ストレスの改善が見られたこと、などさまざまな効果が立証されたのだ。

以下の図は、今回の調査ではなく、前回の公表された検証結果にはなるが、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の発現量の増加がホットヨガの実施によって確認できる。

  • 長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の発現量の上昇

    長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の発現量の上昇(グラフb)(出典:LAVA)

いかがだっただろうか。

ホットヨガのアンチエイジング効果に関する興味深い研究結果だ。少し専門的な知見を追記をすると、ホットヨガは、体内の血流を促進し、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の発現することによって、活性酸素種であるROSを誘発しずらくする効果あるというという。

しかしながら、ホットヨガと長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT6)の活性化を結ぶ老化抑制の伝達経路については不明な点が多く、詳細なメカニズムを実証するためには、さらなる研究が必要であるという。