オーストリアのザルツブルク応用科学大学は、VRに呼吸の概念を導入したAirResマスクを開発した。
現在までVRといえば、VRを映像として見るためのVRゴーグル、VR空間での歩行の概念を導入したVR用ブーツなどはよく知られているだろう。
では、VRに呼吸の概念を導入したAirResマスクとはどのようなものなのか、今回はそんな話題について触れたいと思う。
VRに呼吸の概念を導入したAirResマスクとは?
ザルツブルク応用科学大学が開発したAirResマスクは、VRゴーグルと一緒に装着することで、息切れ、息苦しさをリアルに再現ができるという。
上記の画像が、AirResマスクを装着している様子だ。VRゴーグルと左右に白いボックスやディスクが確認できる。上記のAirResマスクを装着している画像と下のAirResマスクを分解した画像を比べながら見ていただきたい。
上記の画像の右側に白い円盤があるだろう。黄色い矢印が2つがある。この部分には、サーボでこのディスクを回転させて、呼吸を制御することができる。マウントの部分にはセンサが取り付けられていて、呼吸の勢いを検出することができるようだ。 上記の画像の左側に白いボックスがある。これは、エレクトロニクスとバッテリーが入っている。
では、このAirResマスクを装着してどのようなことが体験できるのだろうか。例えば、ハーモニカの演奏、ケーキのローソクを吹き消すこと、吹き矢、風船を膨らませるなどだ。息を止めて手ブレを抑える射撃もできるという。他にも、消防避難訓練において、火災の中を再現することもできる。
このAirResマスクの安全性はどうなのだろう。実は、ユーザーが呼吸できなくなると危険であるため、空気が完全に遮断されない設計を採用している。例えば、バッテリーが切れたりすると自動的にバルブが全開になるのだ。
いかがだっただろうか。人間の感覚すべてを再現するためのVR機器が開発されるのは、そう遠くない未来だろう。これにより、没入感、リアル感を極限まで高めることができ、現実世界と仮想空間の境界がなくなる未来もそう遠くないかもしれない。