2022年4月26日、GITAIから、「GITAI、宇宙船外模擬環境での軌道上サービス作業実証に成功」というタイトルのプレスリリースが報じられた。
GITAIが開発したのは、宇宙ステーションの船外や軌道上サービスなどの宇宙船外環境下で汎用的な作業が可能なロボットモジュール。
このロボットモジュールに関して宇宙船外模擬環境での作業実証が完了したのだ。中でも興味深い実証がある。それは、GITAIロボットが自律制御によってソーラーパネルの組み立てやバッテリーモジュールの交換を行うというものだ。
今回は、そんな話題について触れたいと思う。
GITAIロボットの宇宙船外模擬環境下の実証とは?
GITAIは、宇宙ステーションの船外や軌道上といった宇宙船外環境下で汎用的な作業が可能なロボットモジュールを開発してきた。今回、このロボットモジュールに関して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の試験設備を活用することで宇宙船外環境を模擬して、軌道上サービス作業の実証を実施し、すべて問題なく完了したと発表した。
どのような試験を行ったかというと、熱真空試験、恒温槽試験、振動試験、放射線試験だ。
また、GITAIは2022年2月7日から11日にかけて、JAXA筑波宇宙センターの8m級熱真空チャンバーでGITAI自律ロボットによる軌道上サービス作業実証を実施している。
その実証のなかで、興味深い映像がある。それは、GITAIロボットが自律制御によってソーラーパネルの組み立てやバッテリーモジュールの交換を行うシーンだ。以下に動画を紹介する。是非ご覧いただきたい。
映像のなかのブルーの六角形型の物体がソーラパネルを模擬したもの。映像では、これらのソーラーパネルを花びらのような形状に組み立てていく様子がわかる。またバッテリーモジュールもボックスの中に寸分狂わず設置している様子も見てとれる。 また、GITAIロボットのアームを連続で動作、回転させている試験の様子の映像もある。サーモグラフィーで温度も確認しながら実施。これが、14時間連続動作耐久試験だと推測する。正常に動作し続けるかを確認しているという。
いかがだっただろうか。
GITAIは、2021年10月に国際宇宙ステーション(ISS)内で自律ロボットの実証にも成功している。
今回は、宇宙船外をイメージした真空環境下での実証も含まれており、意外と熱真空試験というのは、スムーズに行かないものだ。そして、宇宙環境を模擬しているため、“バグ出し”に最適な試験でもある。
GITAIロボットアームが熱真空試験環境下で、しかも自律的にこれほどスムーズに上手く動作している映像を見て、すごいと素直に感じる。