またまた興味深いテクノロジーが発明された。
それは、Invisibility Shield。光の屈折をうまく利用したレンチキュラーレンズの原理を使った特殊なシートだ。
このシートの裏側にある物体は見えなくなり、背景に溶け込ませることができる。つまり透明人間になれるシートといえよう。
では、このInvisibility Shieldとはどのようなものなのか。今回は、そんな話題について触れたいと思う。
透明になれる原理
繰り返しになるのだが、Invisibility Shieldとは、光の屈折をうまく利用した特殊なシートで、このシートの裏側にある物体は見えなくなり、背景に溶け込ませることができる。
このInvisibility Shieldは、英国ロンドンにある企業「Invisibility Shield」が開発したもの。
では、Invisibility Shieldはどのようなものだろうか。下の図をご覧いただきたい。
このInvisibility Shieldの表面はかまぼこ状の凹凸がある。隠したい物体(Subject)の光は、この凹凸によってうまく屈折し、見ている人(Observer)には届かない。つまり見ることができない。しかし遠望からくる背景の光は、うまくこの屈折を利用することで、見ている人(Observer)へ届くという原理なのだ。
つまり、レンチキュラーレンズの原理を使っている。
この原理を用い、実際にInvisibility Shieldに隠れた身体の部分は、消えたように見えているのだ。
そして、Invisibility Shieldに映っている背景は、周辺の背景と遜色なく溶け込んでいる。
際立った波もしっかりと映り込んでいるし、地平線や砂浜との境界も滑らかにつながっているように見える。
意外と手ごろな値段!?
Invisibility Shieldは、現在2つのサイズがある。大きいサイズは950mm×650mmの大きさ、小さいサイズのものは、310mm×210mm。重さについて言及はなかったが、重くなさそうだ。
価格は大きいサイズが299ポンド(約4万8000円)、小さいサイズが49ポンド(約8000円)という。そんなに高額ではない。
また、Invisibility Shieldの素材は、ポリマーを活用しているという。紫外線や耐温度性、耐久性に優れているという。そして、100%リサイクルでき、有害物質も使っておらず、安全性にも優れているというから環境にも優しい。
いかがだっただろうか。以前、カナダのHyperstealth Biotechnologyという企業のQuantum Stealthというテクノロジーを紹介したが、このシートもレンチキュラーレンズの原理を使ったもの。
しかし、このQuantum Stealthの価格感は不明だ。Quantum Stealtはどちらかというと軍事方面での販路をイメージしている印象があったが、今回のInvisibility Shieldは、そのような印象は受けない。
そして、Invisibility Shieldは、サイズによるが、とても低価格だ。この価格帯を聞いたとき、先日紹介したQuantum Stealthの利活用シーンを考えると、もしかしたらさまざまな市場に出回るのではないか、そんな可能性を感じた。
ちなみに、残り日数は少なくなってきているが、Invisibility Shield は、クラウドファンディングで資金調達を実施している。
もし興味があれば、是非このプロジェクトにプレッジ(支援)してみてはいかがだろうか。