電源もいらない、植物さえあれば発電できる、そんな夢のようなテクノロジーがある。それは、グリーンディスプレイの「botanical light」。
とてもエコで地球にやさしいテクノロジーだ。では、このbotanical lightとはどのようなものなのか、今回はそんな話題について触れたいと思う。
botanical lightとは?
植物を用いた商空間デザインを手掛ける「グリーンディスプレイ」は、プリント基板設計CADソフトの開発などを行う「ニソール」と共に、botanical lightというテクノロジーを開発。
では、botanical lightとはどのようなものだろうか。
植物が生えている土や水の中の根の付近にあるマイナスの電荷を集めることで、電気を起こすという技術。
つまり、植物と共存している微生物が生命活動をするときに、土や水の中で放出している電子を利用するのだ。植物が育つことができる土や水があればいい。ただ、土、水に電極を挿すだけで電力を得ることができるのだ。
これにより、半永久的に発電することができるすごいテクノロジーだ。現在3.3Vまで発電可能という。
このテクノロジーは、どのようなメリットがあるだろうか。
それは、これまでの従来型のイルミネーションと比較するとわかりやすい。例えば、電源コンセントが不要になるので、外観上、配線やコンセントを隠すというような施工が不要になる。また、暗くなった時間帯に手動もしくは自動でONする必要もなく、季節や気候にも関係ない。
しかも、イルミネーションだけではなく、ハンギングや壁面緑化などさまざまな場面で使用できるのだ。
そして、環境にやさしい点も強調したい。この発電で排出されるのは水のみ。さらに、栄養分を利用して発電するため、土壌や水の中のバランスを整え環境改善に役立つというのだ。
そんなグリーンディスプレイのbotanical lightだが、2022年3月26日から、調布市環境啓発イベント「ボタニカルライトキャラバン」においてbotanical lightの展示を開始している。
ちなみにボタニカルライトキャラバンとは、調布市が実施する産官民参加の環境啓発イベント。下の画像を見ていただきたい。
デニーズ調布店に展示されたbotanical lightだ。
とてもやさしい光で、シンプルな景観かつエコな印象だ。ボタニカルライトキャラバンでのbotanical lightの展示はさまざまなところで行われるようだ。ぜひ確認して足を運んでみていただきたい。
いかがだっただろうか。植物と共存している微生物が生命活動をするときに、土や水の中で放出している電子を活用した半永久的な発電システム。
このテクノロジーはさまざまなシーンで活用できるだろう。実際にbotanical lightによる光の照度によっては活用できないかもしれないが、例えば、壁面緑化などのシーンはもちろんのこと、自宅のガーデニング、公園、森林での林道やハイキングの道の道標、水族館、動物園など演出、湖や沼などでの簡易的な警告灯、夜間の釣り場での利用などが思い浮かぶ。
そして普通に暗い道にも使え、防犯にもつながりそうだ。近い将来、さまざまな場所で普通に見かけるようになりそうなとても興味深いテクノロジーだ。