コピー・切り取り・貼り付けのショートカット
キー | 操作内容 |
---|---|
「Ctrl」+「C」 | コピー。 |
「Ctrl」+「X」 | 切り取り。 |
「Ctrl」+「V」 | 貼り付け。 |
ちょこっとアドバイス
コピー、切り取り、貼り付けはショートカットキーの中でも基本中の基本だ。使っていくうちにすでに身についている方も多いだろう。
キー | 操作内容 |
---|---|
「Ctrl」+「C」 | コピー。 |
「Ctrl」+「X」 | 切り取り。 |
「Ctrl」+「V」 | 貼り付け。 |
しかし例えば、初心者から「なぜ『Ctrl』+『C』、『Ctrl』+『X』、『Ctrl』+『V」にショートカットキーが割り当てられているのですか?」と尋ねられた場合、その理由や、どのようにしてこのショートカットキーを覚えればよいかうまく説明できる方は少ないのではないかと思う。既に覚えてしまっているショートカットキーであるだけに、なぜこのキーに割り当てられているかを深く考えたことがない方がほとんどだろう。
まず、コピーが「Ctrl」+「C」に割り当てられているのは覚えやすい。コピー(Copy)の頭文字であるCがそのままショートカットキーに使われているパターンだ。
キー | 対応する英単語 |
---|---|
「Ctrl」+「C」 | Copy |
「Ctrl」+「X」 | ? |
「Ctrl」+「V」 | ? |
しかし、残りの2つが問題だ。切り取りは英語ではカット(Cut)が使われるため、同じロジックでいけばこちらも「Ctrl」+「C」になってしまう。しかし、切り取りに割り当てられているキーは「Ctrl」+「X」だ。「Ctrl」+「C」ではない。
切り取りに関しては「ハサミで切り取る」というイメージと「X」を結びつけることで覚えることができる。「X」の形をハサミとみなすということだ。ハサミで切り取る→Xで切り取る→「Ctrl」+「X」、といった連想になっている。
さらに、厄介なのは貼り付けだ。貼り付けは「Ctrl」+「V」に割り当てられている。しかし、貼り付けを意味する英語は「Paste」であり、単語の頭文字を取るなら「Ctrl」+「P」になるはずだ。しかし、貼り付けに割り当てられているのは「Ctrl」+「V」である。
こちらは少々強引な覚え方となるが、コンピュータが普及する以前の編集者は文字列を挿入したい場合にそこに「V」と書いて印にするという習慣があったそうで、そこから転じて「V」を貼り付けに割り当てた、という方法がある。多少強引な感じはするが、覚え方としては悪くない。
ここで「C」「X」「V」のキーボード上の配置を見てみよう。次のように左下に連続して配置されている。
コピー、切り取り、貼り付けは同じ意味合いのグループに所属する操作となるので、このように同じ場所にまとまっているのは都合がよい。これまで何度か取り上げてきたが、同じグループの操作を横並びのキーに割り当てるというのはよくあるのだ。コピー、切り取り、貼り付けもそれと同じように横並びの配置になっている。
実際には「Ctrl」+「C」、「Ctrl」+「X」、「Ctrl」+「V」というショートカットキーは1970年代にPalo Alto Research Centerで開発されたエディタで使われたショートカットキーだったと言われている(参考「Larry Tesler - Wikipedia」)。このショートカットキーの開発に関わったとされる方はその後Appleに入社しており、Appleでも同じショートカットキーが使われるようになった(Appleでは「⌘」+「C」、「⌘」+「X」、「⌘」+「V」となる)。そうしてこのキーは世界へ広まっていき、現在ではデファクトスタンダード的なポジションにあるというのがよく言われている歴史だ。
Palo Alto Research Centerで、当時どのような経緯があって「Ctrl」+「C」、「Ctrl」+「X」、「Ctrl」+「V」が選ばれたのかはわからず、ここは推測するしかない。キーが左下にまとまっていることから、ある程度「C」の左右のキーを切り取りと貼り付けに割り当てること前提で決めたのではないか、という印象を受ける。そこから見た目的に切り取るのはハサミ(X)で、貼り付けは挿入ということでVで印付けるイメージかな、というこじつけだ。貼り付けを「Ctrl」+「P」にすると、あまりにも「C」「X」から遠すぎるので、思い切って横並びのキーに割り当てよう、という発想である。これは案外そのまま当時の発想と同じかもしれない。
結局のところ「Ctrl」+「C」、「Ctrl」+「X」、「Ctrl」+「V」となった確かな理由はわからないのだが、今回の小話をフックにして「Ctrl」+「C」、「Ctrl」+「X」、「Ctrl」+「V」を覚えてもらえればと思う。