ソシオネクストは、2018年5月9日から11日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されている「Japan IT Week 春 2018」内の「第7回 IoT/M2M展」において、1チップ 8K HEVCデコードLSIを用いたデジタルサイネージ向けメディアプレイヤーのデモや、ARM Cortex-A53を24コア搭載したマルチコア・チップ「SC2A11」を搭載し、Armベースのアプリケーション開発を可能とする開発環境(エッジサーバ)「SynQuacer E-Series」のデモなどを行っている。
SynQuacer E-Seriesを用いたデモは2種類で、1つは1画像あたり平均70fpsで、同時に8画像を認識させることで1秒当たり400フレーム以上のConvolutional Neural Network(CNN)による処理を可能とするAI(推論)のデモ。もう1つは、最大カメラ4台を接続し、SynQuacer上に録画映像統合管理システムOS「Errai」を搭載することで、高効率な映像配信を実現するVMS(ビデオ管理ソフトウェア)を実現するというもの。後者について、同社によると400ドル程度のサーバを使用した際のベンチマーク比較では、他社CPUと他社VMSや、他社CPUとErraiの組み合わせでは最大20台程度のカメラ接続しかできないが、SynQuacerとErraiの組み合わせであれば最大60台のカメラを接続しつつ、500ユーザーにリアルタイムの配信が可能となるなど、高い性能を発揮することができるようになるという。
また、このほか同社ブースでは、同じくSC2A11をIoTゲートウェイとして用いた模型の鉄道を用いた運行管理デモも行っている。こちらは、列車検知センサが車両を検知すると、ポイントを切り替え、カメラのある線路へと列車を誘導。カメラにて列車を認識すると、さらにポイントを切り替え、引込み線に列車を誘導するというもの。これらの処理をすべてローカルのIoTゲートウェイ上で行うことで、低遅延、低消費電力などのシステムとしてのメリットを享受できるようになるほか、カメラで撮影したデータもクラウドにあげることはないため、プライバシーを守る、といったニーズにも対応ができる能力を提供できるようになるとしている。