サイレックス・テクノロジーは、2018年5月9日から11日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されている「Japan IT Week 春 2018」内の「第7回 IoT/M2M展」において、無線LANを用いて、手軽にメッシュネットワークを構築することを可能にするMesh Network System「BR-400AN」のデモなどを行っている。
無線LANによるメッシュネットワークは、1つの無線チャネルで大面積をカバレッジすることができるため、高額な無線環境調査や緻密なch設計作業の省略が可能となるため、安価に広域無線LANネットワークを形成することを可能とするもの。また、最大32台でメッシュネットワークグループを構成することが可能で、マルチホップにより、遠くまで安全にデータを伝送することが可能な一方で、伝送経路を一定の条件下で固定しておく、という使い方も可能。通常は、こうした経路で伝送を行うが、その回線が途中で途切れた場合、瞬時にあらかじめ設定しておいた別の経路で接続する、といった使い方もできる。
すでに、複数階層の建屋を有する介護施設にて実証実験が行われており、従来のアクセスポイントを立てる手法と比べて1/10程度のコストで無線LANネットワークを構築できることを確認したという。
このほか、同社では新たな試みとして、制御システム内に無線LANを搭載する技術開発をデモとして披露している。従来、無線LANといえば、通信遅延時間は10ミリ秒以上かかる場合などがあり、リアルタイム性が求められる分野での活用は難しかった。そこで同社では、1ミリ秒の低遅延、低ジッタ、低欠損を実現する「AMC LLW(Low Latency Wireless)技術」を開発。これにより、複数台の制御機器を遅延無く同期させ、産業機器に無線LANを適用させることを可能とした。ただし、まだいろいろと技術的に詰める部分などが残されているとのことで、今回はあくまで参考出展としている。とはいえ、今後も技術開発を進めていくことで、近い将来、製品化へと展開していきたいと同社では説明していた。
また、同社ブースでは、組み込みBluetooth-Wi-Fiゲートウェイ「SX-SDCAC」の活用に向けた、脳波を用いた面白いデモを見ることができる。これは、脳波計測装置で集中度とリラックス(瞑想)度を算出。BluetoothにてSX-SDCACにそのデータを送信。そのデータをさらにWi-Fiへと載せ、6台のBR-400AN(集中度で3台、リラックス度で3台)に転送。各3台ずつ割り振られたBR-400ANは、度合いに応じてLED(リラックスの場合は赤、集中の場合は青)を光らせ、集中側のLEDが3つとも灯ると扇風機が回る、というものだ。大勢の人が行きかう展示会場でなかなか集中を高めることは難しく、青色LEDが3つとも灯り、扇風機が常に回るということはなかなかないが、稀に同社スタッフの集中度が高まったタイミングで扇風機が回っている様子を確認することができたので、興味がある人は、一度デモを実際に見てみるか、もしくは自分で試してみてもらいたい。
なお、同社は無線LANメッシュネットワークを、自社ブースのほか、隣のアットマークテクノ/スズデンならびに30mほど離れたフリービットブースと接続して伝送デモも行っており、その接続の様子も見ることができる。