5月9日から5月11日まで、東京・台場の東京ビッグサイトにて開催されている「2018 Japan IT Week 春」においてハギワラソリューションズは、工場向けのIIoT機器や産業制御システムの分野での応用が期待される「Secure SD Card」や、システムの改ざん防止機能が搭載されたIoTゲートウェイなどの展示を行っている。
Secure SD Cardは、スマートカードチップを搭載した産業機器向けSDカード。IIoT機器や産業用制御システムに、簡単に信頼性の高いハードウェアキーの機能を追加することができることが特徴だ。ハギワラソリューションズは、2018年の秋より同製品の日本国内における販売・サポートを開始する予定だとしている。
ユーザーは同製品を用いることで、ハードウェアのセキュリティキーをシステムに簡単にアドオンすることができる。これにより、データの不正利用や漏洩、ライセンス違反などの問題を解決できるのだという。
さらに、同製品はセキュアなストレージとして使用することも可能。暗号化と認証によるアクセス制限やデジタル署名によるデータの改竄防止により、IIoT機器や産業用制御システムの稼動に必要なOSやプログラムの格納、機密性の高いログデータの保存やファームウェアのアップデートツールとしての利用ができる。
例えば、同製品を差し込んでもPINコードを入力しなければ保存データを確認出来ないシステムにしたり、書き込みはできてもデータの削除が出来ないようにしたり、といったことが出来る。(なおこれらの機能の実装には、「SDカードマネージャ」というソフトウェアを用いる必要があり、このソフトウェアもSDカードの販売に合わせて提供を開始する予定だとのこと)
それに加えて、認証機能を付加することにより、ファームウェアアップデートやマルウェア感染によるシステムの不正操作からIIoT機器や産業用制御システムを保護することも可能となった。
同社の技術説明員はこの製品について、「現在、"強固で信頼できる"と言われているセキュリティが5年後・10年後も安全か? というと、必ずしもそうではない。もし基板側でセキュリティを担保するのであれば、その(セキュリティの)信頼性が失われたタイミングで、"基板ごと"変更する必要がある。そこで、SDカード自体をセキュアなものにし、時代に合ったセキュアなSDカードを提供することで、求められるセキュリティのレベルが上がっても、(ユーザーはSDカードを変えるだけで)迅速に、簡易的に対応できるようになる」と語る。
同社のブースではそのほか、天井のビーコンでヘルメットのバッジからの情報を受信し、作業者の情報を通知する"工場の見える化ソリューション"や、システムの改ざん防止機能を搭載したIoTゲートウェイ(開発中)の展示などを行っている。