ソフトの機能熟知と作業効率は比例しない
Wordによる文書作成、Excelによる見積り計算、電子メールによる各種連絡といった具合に、PCは不可欠なビジネスツールである。そうなると、PCのスキルは作業時間に直結する。以前、Excelのできる社員とできない社員を比較するPC教室のCMがあったが、PCのスキルがソフトウェアの機能習得と直結しているのは間違いない。しかし、機能を熟知していれば作業効率が高くなるかと言えば、そういうわけでもない。
メニューにアイコン、操作方法はいろいろあるけれど……
例えば、Wordで文書を作成し終わって保存する時、皆さんはどのような操作を行っているだろうか?
「ツールバーのフロッピーマークのアイコンをクリックする」、もしくは、「"ファイル"メニューの"上書き保存"を選択する」というのが一般的な操作方法である。
では、文書内のある部分の文字を他の場所にコピーしたい場合はどうだろうか? これも、大抵の人は、次のいずれかの操作を行うだろう。
- コピーする部分を選択した後に「編集」メニューの「コピー」を選び、コピー先に「貼り付け」で貼り付ける
- メニューを選択する代わりに、ツールバーのアイコンをクリックする
- 右クリックで表示されるショートカットメニューから選択する
このように、画面を見ながらマウスで操作できるようにしたWindowsのグラフィカルインタフェース(GUI:Graphical User Interface)は、初心者でもPCを簡単に利用することを可能にし、インターネットと共にITの普及に大いに貢献している。
しかし、こうしたマウスを用いた操作は、作業効率の点からすれば優れているとは言えない。文書作成であれば基本の操作は文字入力であり、手はキーボードの上にある。保存やコピー&貼り付けのためにマウスを動かすのは時間の無駄遣いでしかない。
マウスを手放しショートカットキーを使ってみよう
そこで、マウスではなく、ショートカットキーを使うことをお勧めしたい。ショートカットキーとは、メニューなどから選択して実行しうる機能を、キーボードを組み合わせて行う機能のこと。例えば、先に出てきた「上書き保存」は、CtrlキーとSキーを一緒に押せばよい。「コピー」はCtrlキーとCキー、「貼り付け」はCtrlキーとVキーだ。
よく使う機能のショートカットキーを覚えておけば、マウスを使って操作する必要がなくなり、作業効率は格段に短縮される。処理能力のそれほど高くないPCでは、画面にメニューや右クリックのショートカットメニューを表示するのにも若干のタイムロスが発生する。ショートカットキーは"遅いPC"を速く使うためのノウハウでもあるのだ。
ショートカットキーのことを単純にショートカットと呼ぶこともあるが、ショートカットアイコンと区別するために、通常はショートカットキーと呼ぶ。そのほか、キーボードショートカットと呼ぶこともある。
ショートカットはメニューで確認できる
どの機能にどのショートカットキーが割り当てられているかは、アプリケーションによって異なる。ただし、「保存」「コピー」「貼り付け」などの基本的な機能に関しては共通している。また、ショートカットキーは「Ctrl+S」のように、使用するキーを「+」で繋いで表記されるのが一般的だ。アプリケーションのメニューに表記されているので、確認してみてもらいたい。
基本的機能を覚えるだけでも効果抜群
ショートカットキーの文字キーは、意味のないキーが割り当てられているわけではない。「保存」のショートカットキーCtrl+SのSはSave(=保存)のSだ。同様に、コピーのCtrl+CのCはCopyのCである。
なお、「やり直し」のCtrl+Z、「切り取り」のCtrl+X、「コピー」のCtrl+C、「貼り付け」のCtrl+Vは、Ctrlキーに近い4つ並んだキーに割り当てられている。これは、頻繁に使用するこれらの機能を左手だけで使えるようにしてあるからだ。
そのほか、一般的なショートカットキーには、「新規文書」がCtrl+N(NewのN)、「文書を開く」がCtrl+O(OpenのO)などがある。
一般的なショートカットキー
機能 | ショートカットキー | 覚え方 |
---|---|---|
新規文書 | Ctrl+N | NewのN |
既存ファイルを開く | Ctrl+O | OpenのO |
印刷 | Ctrl+P | PrintのP |
検索 | Ctrl+F | FindのF |
保存 | Ctrl+S | SaveのS |
コピー | Ctrl+C | CopyのC |
やり直し | Ctrl+Z | アルファベットの左下 |
貼り付け | Ctrl+V | CopyのCの右横 |
切り取り | Ctrl+X | CopyのCの左横 |
Wordなどのアプリケーションだけでなく、Windowsでもショートカットキーが使える。どのようなショートカットキーがあるかは、ヘルプで「Windowsショートカットキー」を検索してもらいたい。