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第1部 企業と法務 - 2.在庫管理とABC分析
重要度 >>> ★★★★☆
在庫の評価方法についての計算問題が、またABC分析については特定のグループの商品群を選択させたり、商品の一覧をグループ分けさせる出題などが考えられます。
合格への攻略ポイント
■代表的な発注方式
代表的な商品の発注方式には定量発注方式と定期発注方式があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
■在庫の評価方法
原材料や商品などを仕入れる場合、また決算時などに在庫の評価額を算定する場合に用いる代表的な評価方法は以下のとおりです。
評価方法 | 概要 |
---|---|
棚卸し時(*)の在庫評価方法の1つ。最も取得時期の早いもの(古いもの)から遅いもの(新しいもの)へと順次払い出しがなされたとみなす | |
後入先出法 | 棚卸し時の在庫評価方法の1つ。最も取得時期の遅いものから早いものへと順次払い出しがなされたとみなす。我が国の会計基準の見直しにより2010年4月からの適用廃止が決定している |
移動平均法 | 仕入のたびに全在庫の平均原価を算出する方法。 平均原価=(今回の仕入額+在庫残高)÷(今回の仕入数+在庫数) |
(*)棚卸しとは、一定期間ごとに在庫の状況を調べ、その価値を評価する作業のことをいいます。また先入先出法・後入先出法はともにあくまでも計算上のことであって、実際に商品をそれぞれ取得時期の早いもの・遅いものの順に払い出したかどうかは問題ではありません。
上記以外にも、在庫の評価方法には個別法(個々の商品の取得原価の合算額で算出する方法)や、総平均法(期首在庫と当期の総仕入れ額の合計を数量の総合計で割った平均額を単価として算出する方法)、最終仕入原価法(最も期末に近い時期に仕入れた際の単価をもとに算出する方法)などもあります。
■ABC分析の目的
商品の在庫管理に際して、あらゆる商品を厳密に管理しようというのはコストパフォーマンスが大変悪くなってしまい現実的ではありません。そのために特定の品目を選んで重点的に管理しようという考え方が生まれました。それがABC分析です。ABC分析は、多品目の在庫品を管理する場合に、各品目の重要度に合わせた管理方法をとる手法で、在庫品の種類ごとに、金額の多い順からA、B、Cの3ランクに区分し、それぞれの商品を各ランクに適した管理で処理します。ABC分析では、「QC7つ道具」にも使われるパレート図が用いられます。これは、商品の在庫額を個別に表す棒グラフと、在庫額の累計を表す折れ線グラフからなる複合グラフで、横軸に取り扱う品目を在庫額の降順に配置し、在庫額の累計における比率によってABC群へと分類します。
ABC分析の例 | |||
比率区分(例) | とるべき管理の方法(例) | ||
---|---|---|---|
Aランク | 売筋商品 | 総売上高の70%を占める品目類 | Aランク品目→緻密な管理法を採用(定期発注方式) |
Bランク | 普通商品 | 総売上高の25%を占める品目類 | B・Cランク品目→簡易な管理法で対処(定量発注方式) |
Cランク | 死筋商品 | 総売上高の5%を占める品目類とする |
本試験出題例
商品有高帳から、期末在庫品を先入先出法で評価した場合の在庫評価額は何千円か。
・ア 123 | ・イ 138 | ・ウ 150 | ・エ 168 |
【初級シスアド 平成16春期 問67】
解答と解説
期首有高に全仕入高を加えると20個になり、期末有高の12個を差し引くと8個が払い出された(売れた)ことになる。この8個は先入先出法によって期首有高の10個のうちから払い出されたとみなすため、残る12個の在庫の計算方法は次のとおりとなる。
よって正解は150(千円)となる。
正解>ウ
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