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第7部 技術要素 - 2.WWWと電子メールの基礎知識
重要度 >>> ★★★★★
電子メールに関連する知識について、パケット交換型通信の原理からヘッダ情報の内容まで様々な角度から問われることが予想されます。電子メールのトラブル(不着や文字化け)の主な原因についても十分に理解しておきましょう。
合格への攻略ポイント
■WWW
インターネットは1960年代後半、アメリカ国防総省高等研究計画局(ARPA)が情報通信の研究のために遠隔地にあるコンピュータ同士を接続したことがその起源とされます。その後、CSNET(コンピュータ科学研究ネットワーク)と相互接続されて規模を拡大、次いでNSF(全米科学財団)に吸収されて、徐々に現在のような世界規模のネットワークに成長してきました。ただ当時はコンピュータや通信ソフトウェアの規格統一がされていないために、毎回、接続設定のためのコマンドを入力しなくてはならず、たった一回の接続に大変な手間と時間をかけていました。しかし、その問題を一挙に改善したのがスイスのCERN(原子核研究所)の英国人物理学者ティム・バーナーズリー博士によって発明されたWWW(ワールドワイドウェブ)というソフトウェアです。このソフトウェアの実現で、簡単にデータ通信が可能となったのです。マウスで下線が引かれた文字列をクリックすればその言葉に関連する別の情報が表示され、それを繰り返せば自分が探している文書データにたどり着くという、いわゆるブラウザの原型がここに誕生したわけです。
■パケット交換型通信
インターネットの基礎技術はパケット交換型通信です。これは、電子メールなどの転送データを元のままの状態で転送せず、送信する際にパケット(Packet・小包)と呼ばれる細かい単位に分解して様々なサーバを次々と経由(ルーティング)しながら転送されていく仕組みです。パケットには送受信者の識別コードやデータサイズなど、転送に必要な情報が書き込まれており、受信者にパケットが到着した段階で送信されたときと同じ状態に復元されます。パケット交換型通信は、冷戦時代に世界中に展開する米軍基地が敵国から核攻撃に遭遇した場合でも、軍事用通信ネットワークが寸断させられることがない通信手段として、米空軍のシンクタンクであるRAND研究所が関発したものです。
■電子メールの不着
パケット交換型通信の特性によって電子メールにはデータの消失や到着順序の入れ替わりなどが起こります。例えばルータがパケットを送信先へ転送する際には一時的にルータ内に蓄積されるため、もし記憶容量が不足したり、ルータが処理しきれないほどのパケットが殺到した場合などにはパケットの消失が発生することがあります。未然にそれを防ぐためには一時的にパケット転送を停止することになりますが、それによってパケットが到着する順序が入れ替わることもあり、受信者への到着順序が送信順序とは異なることもあります。
本試験出題例
電子メールで情報交換を行う場合に、件名(Subject)が文字化けするおそれがあるものはどれか。
- ア ギリシア文字
- イ 学術記号
- ウ 一般記号
- エ 半角片仮名
【初級シスアド 平成15春期 問48】
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解答と解説
インターネットで転送される電子メールの日本語表記に関しては、インターネットに関する技術の標準化団体であるIETF(Request For Comment)が規定するRFC1468によってその仕様が定められている。半角カタカナはRFC1468で除外されており、使用すると文字化けすることがある。その他にも、文字化けの原因となる機種依存文字(特定の機器やソフトウェア上でしか正しく表示されない文字)にはローマ数字や丸付き数字、省略文字などがある。
正解>エ