前回は、自社サイトにアクセスを集めるための施策、いわゆるSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策について、『ITPARK』(アイ・ティー・テレコム)が提供する独自の支援サービスを解説した。他のレンタルサーバーにはない特徴的なサービスで、アクセス向上に悩むサイト運営者には心強いものだ。さて、これまでITPARKの特徴的な部分を紹介してきたが、今回はサーバー移転手続きなど実運用面で疑問に思いやすい点をFAQとしてピックアップしてみた。


サーバー移転・ドメイン運用について


【Q1】別のレンタルサーバーからITPARKへの移転はスムーズに行なえる? また、その際、気になるのは、すでに取得済みのドメインはそのまま使えますか?

―― ITPARKの加入者には、独自サービスのSEO対策などを目当てに移転してくるユーザーも多く、移転のためのサポート体制も整備済みだ。サーバー管理メニューには「データ移行ツール」が用意され、他社サーバーのデータをITPARKのサーバーへ簡単に転送できるようになっている。また、気になる既存のドメインの移転も可能で、各種手続きはアイ・ティー・テレコムが代行してくれる。本件に必要な手続きの案内については、電子メールのほか電話でも対応。移転手続きの詳細についてはこちら。

ユーザー管理メニューには、他社サーバーの設定を移転するための「データ移行ツール」が用意されている


【Q2】ITPARK契約後、ドメイン名を途中変更できますか? また、ドメイン名には1年ごとに更新料が発生するのでしょうか?

―― 一度取得したドメインは変更できないので、ドメインはよく考えてから申請するように。万が一、変更する必要が生じた場合、ITPARKを契約しなおす必要がある。ドメインの更新料は発生しないので安心してほしい。サーバー移転時のドメイン移転でも手数料などは発生しない。


契約内容の変更や継続について


【Q3】社員が増加したり、ディスク容量が足りなくなったりした場合、ITPARKの契約プランを上位クラスに変更する必要があると思いますが、契約プランの途中変更は可能?

―― 契約プランは途中で変更できる。ただし、メールアドレスであれば各プラン内でも1アカウント・210円/月で追加することができるので、必要に応じて契約内容を見直すとよいだろう。各プランのアカウント数/ディスク容量の詳細については第1回を参照のこと。

メールアドレスの追加などの各種申し込みは、オンラインマニュアルの「ご契約・お手続き関連」で所定のPDFファイルをダウンロードし、必要な項目を記入してFAX送信することで行なう
ITPARKにおけるアカウント追加費用
追加項目 初期費用 月額
メールアドレス 0円 210円(1アカウント)
サイト管理者追加 0円 525円(1ユーザー)


【Q4】「Yahoo!JAPAN上位保証」のSEO対策コンサルティング期間は6カ月ですが、その後も継続することはできますか?

―― 6カ月間の無償キャンペーン期間後は有償で継続可能だ。ITPARK最大の特徴ともいえる「Yahoo! JAPAN 上位表示保証キャンペーン」は、ユーザーが希望するキーワードで、Yahoo! JAPANの検索結果の上位20位以内に表示されることを保証するサービス。同社では、その場しのぎにならないSEO対策を提供しているが、それでも事業内容やWebサイトの変更などをきっかけに、また新たなSEO対策が必要になるともかぎらない。キャンペーン後は、6カ月間のSEO対策を「Yahoo! JAPANの検索結果数×0.65円」で受けることが可能だ。


Webページ制作・電子メールについて


【Q5】携帯電話などのモバイル機器からもメールをチェックしたいのですが、Webメールは利用できますか?

―― ITPARKでは「CatchMe@MAIL」というWebメールを⽤意。携帯電話のほか、各種PDAやスマートフォンに搭載されているWebブラウザから利⽤できるようになっている。ITPARKで用意している電子メール用ディスク容量は各プランで異なるが、最大4GB～16GB、一通につき最大10MBまで送信可能だ。ただし、同社では現在、Webメールサービスとして「Gmail」の使用を推奨している。Gmailを使用する場合は下記のカコミ記事を参照のこと。

ITPARKで利用できるメール環境について
IT-01 IT-02 IT-03 IT-04
メールアドレス数 30 60 100 300
メール用ディスク最大容量 4GB 6GB 8GB 16GB

ユーザー管理画面でユーザーを登録する際、「ウェブメール」を「使用する」に設定しておく(この登録時に「サイト管理者」「ドメイン管理者」のユーザー権限も付与できる)

ユーザー登録時に指定されたURLにWebブラウザでアクセスすると「CatchMe@MAIL」を利用できる

Gmailを自社ドメインを使おう

ITPARKで提供されるメール環境をGmailに移行するには「Google Apps Standard Edition」を利用する。Google Appsとは、GmailなどのGoogleサービスを企業などの独自ドメインで利用できるようにするもの。Standard Editionは無料で提供されている。ユーザーはまずGoogle Appsのサイトにアクセスし、「機能比較・お申込み」→「Standard Edition」とたどり、ITPARKで取得したドメインを入力、その後必要な項目を埋めていく。その後は「https://www.google.com/a/ITPARKで取得したドメイン」でアクセスし、Gmailを有効にすればよい。


【Q6】迷惑(スパム)メールが心配ですが、対策はありますか?

―― 企業が受信するメールの96.5%が迷惑メールと言われる中、その対策は業務効率を高めるためにも欠かせないものとなっている。ITPARKでは、同社が付与する「●●●@取得ドメイン.co.jp」などのメールアドレスすべてに対して、Symantec製スパムフィルターによるフィルタリングを実施。メールサーバー側でデータベース(ブラックリスト)によって迷惑メールを自動判別し、平均で40～60%の迷惑メールをブロックしている。なお、迷惑メールはメールサーバーに届く前に排除されるため、メール用ディスク領域の負担も軽減できるというメリットがある。このほか、ITPARK標準搭載の「迷惑メールフィルター」では、メールの遮断対象として送信元のドメインやメールアドレスを指定することができる。両者を併用することで、より効果的な迷惑メール対策が可能だ。

受信を拒否したいメールアドレスやドメインを指定できる。この処理を行なう際は、該当ユーザーアカウントに切り替える必要があるので注意(「ユーザー管理」→「ユーザー切り替え」)


【Q7】携帯電話向けサイトを作りたいのですが……

―― ITPARKには、携帯電話向けサイトに特化したWebサイト構築ツールは用意されていない。別途同社が用意している「MobileController」を使えば、iモード/EZweb/Yahoo!ケータイに対応した携帯電話用サイトを、Webブラウザ上で簡単に作成することが可能。ただし、使用料は月額6,300円～となっているため、必要性を見極めてから使うようにしたい。



【Q8】自社サイトにアンケートフォームを用意することはできますか?

―― 自社サイトを魅力的なものにするには、エンドユーザーの要望に即したサイト運営が欠かせない。そのためにはアンケートを通じてユーザーの生の声を収集することが効果的だ。ITPARKでは、標準CGI/SSIセットとして「フォームメール」を用意。Webサイト上に入力フォームを設け、電子メールを通じてユーザー意見などを収集できるようになっている。

標準CGI/SSIセットを数多く用意。画面は「フォームメール」の例。ユーザー管理メニューの「ウェブツール」の「CGIインストーラー」から導入する(要管理者権限ユーザーによるログイン)

SSLサーバー証明書を取得したいが、どうすればよいか?

自社サイトに、問い合わせ用フォームやアンケートページを設けている場合、個人情報など送信データの情報漏洩対策が必要だ。一般的にユーザーとWebサーバー間でそうした情報をやりとりする場合、SSLサーバー証明書を取得し、「SSL(Secure Socket Layer)」による暗号化通信環境を整えておく。ITPARKでは、そのための共用SSLを用意。利用プランIT03/04は標準搭載し、IT-01/02では別途申し込みとなり、月額1,050円で利用できる。共用SSLはアイ・ティー・テレコム所有のドメインに対してSSLサーバー証明書を取得し、それをユーザーが共有する形式になる(申し込み方法は、メールアドレスなどの追加と同様、書面による)


【Q9】Webサイトのアクセス解析を行なうことはできますか?

―― 自社サイトのコンテンツを強化するうえで欠かせないのがアクセス解析。そこでITPARKでは、サイトの問題点などを洗い出すため2種類のアクセス解析ツールを提供している。時間ごとのユーザーアクセス数の推移/行動経路の追跡/再アクセスの比率といった数値を分析することが可能だ。

画面は「Urchin」の例

標準で搭載されているアクセス解析ツールが「Analog」だ。ページ閲覧数や時間/曜日/月ごとのアクセス数など、さまざまな統計データを迅速に確認できる。一方、アクセス解析ツールとして有名な「Urchin(アーチン)」は有料オプション(初期費用1,575円/月額1,050円)として利用できる。Urchinではより詳細な解析が可能だ。「サーバーの生成するアクセスログを詳細に分析し、Webサイトへのアクセス状況をグラフィカルなチャートやグラフでレポートを表示する高機能ログ解析ツールです。Webサイトの改善やWebマーケティング戦略までお考えのユーザー様には、こちらをオススメしています」(同社法人営業部 Web事業グループ 中山氏)。



【Q10】ネットショップを開設したいのですが、手数料はかかるのでしょうか?

―― ITPARKでは、オンラインショップを開設・運営するためのツール「MakeShop」を提供しており、標準でMakeShopの「プランA」(初期設定費用/月額利用料:0円、商品点数30点まで)を利用可能だ。MakeShopは、Webサイト構築ツール「SiteBuilder」と同様、テンプレートベースで手軽にオンラインショップを構築できる点が特徴。はじめてオンラインショップ開設に挑戦するユーザーでも安心だろう。なお、取り扱い商品点数やテンプレート数を増やしたい場合は「プランB」以降の有料プランが必要になる。手数料については、決済手数料は決済代行会社に対して発生するが、売上げに応じた手数料が発生することはない。

「MakeShop」にはユーザー管理メニューの「アプリケーション」からログインする

独自ドメインを持つことはサイト利用者に安心感を与えるほか、独自のSEO対策で集客力を高める――こうした特徴を見ると、ITPARKはオンラインショップの運営用サーバーとしても適しているといえるだろう。

レンタルサーバー『ITPARK』
アイ・ティー・テレコムが展開しているレンタルサーバー『ITPARK』。ドメインの無料取得やSEO対策の専門家によるサポートが特徴。SEO対策では、「"希望するキーワードでYahoo! JAPANの検索結果の上位20位以内に入ること」を保証している。プランは4種類を用意。現在、初期設定費用は無料、月額3,360円(プラン「IT-01」:ディスク容量20GB/メールアドレス数30)から利用できる。