こんにちは。吉政でございます。 先日ニュースで、Googleのレポートに「GoogleにとってOSSは脅威である」と書かれていたと報じていました。このニュースを要約すると、AIの分野でGoogleは品質の面でOSSのAIソリューションより優位に立っているが、急激に差が縮まってきており脅威であるということのようです。興味がある方は「Google OSS 脅威」で検索してみるとよいでしょう。

筆者が初めてOSSのビジネスに携わった25年以上前、OSSは趣味でしか使えず、業務で使うのは品質および保守の両面で厳しいという評価でした。「OSSはおもちゃだから」と言っていた技術者の方もいました。

あれから25年が経ち、OSSに対する評価はいかがでしょうか?品質・性能面での評価はかなり上がったのではないでしょうか?

そして、サーバOSのシェアではLinuxが79%のシェアを取り、RDBではMySQLがOracleとシェアで肩を並べるまでになりました。また、CMSでは、WordPressが63%のシェアを取りかつてのトップシェアだったMovableTypeのシェアは0.1%以下になり、シェアグラフから消えてしまいました。CMSの世界では、OSSのCMSのシェアが限りなく100%に近い状態になっています。

もちろん全てのOSSの品質と性能が良いわけではありません。用途によって利用を見極めることが必須です。ただし、シェアが高いものは性能面・品質面でも有償ライセンスソフトウェアと比べても引けを取らないか、それ以上の評価があると思っています。それ故に高いシェアが取れていると考えています。

非技術者の中高年の起業・副業でOSSを使えたほうがいい理由

全ての仕事でOSSが使えるとは思っていませんが、ITを活用する分野ではOSSが高いシェアを持っていることが多くなりました。起業や副業をされる際、ある程度普及していて、事業に役立つOSSがあれば活用したほうがいいでしょう。その理由は以下の3点です。

  • 事業のランニングコストが安くなるため
  • 大概のトラブルはネットで検索すれば解決方法が出てくるため
  • 活用することで技術力が上がるため

全てのOSSが上記の3つに当てはまるとは言いませんが、ある程度シェアを持っている場合、当てはまると考えられます。そして最近は。技術者でなくても扱いやすいOSSが増えてきました。

技術者でなくてもOSSを活用すれば、ライセンス費用や有料セミナー・研修、保守などの料金を払わずに済みます。また、OSSの利用においてトラブルがあれば、ネットで検索すれば解決できることが多いので、非技術者でも使えると思います。

特にホームページ制作は起業・副業として手軽で仕事も多いため、挑戦する方も多いと思います。かくいう筆者の会社もサービスメニュにホームページの制作と運営があり、好評です。

OSSのWordPressはやりたいことは検索すれば大体出てくる

今回は、非技術者の方にオススメのOSSとして、WordPressを紹介します。ちなみに、筆者が主宰しているPython 3 エンジニア認定試験も4割近い方が非エンジニアの方で合格されています。巷には営業、マーケティング部門向けのPythonを活用したデータ分析の書籍、管理部門向けのPythonを活用した業務の自動化の証跡も散見されます。興味がある方は調べてみてください。

さて、話をWordPressに戻しますが、非技術者の方に最も使用されているOSSがWordPressだと思われます。WordPressはWebサイトのコンテンツを管理するOSSです。WordPressが非技術者に活用される理由としては、以下が挙げられます。

  • GUIで簡単に操作、設定ができる
  • 数万にも上るプラグインやテーマを組み合わせて本格的なWebサイトを簡単構築できる
  • 月額数百円程度のホスティングサービスでWordPressを利用できる
  • 簡単なコーディングでカスタマイズする場合も、指定された場所にコードをコピー&ペーストするだけでカスタマイズできる点(テーマやプラグインによる)

初心者向けのWordPressの設定豆知識

それでは、WordPressを触ったことがない人が、ホスティングサービスを利用してWordPressを設定する際に知っておいたほうがよいことを紹介しましょう。

まず、WordPressはWordPress本体と外観をつかさどる「テーマ」というソフトウェアと追加機能をつかさどる「プラグイン」で構成されています。「テーマ」「プラグイン」は数万個も存在しており、適当に選ぶと、障害発生の原因になったり、ハッキングされたりする可能性があるので、慎重に選ぶ必要があります。

テーマ・プラグインの選定の基本的な考え方

さまざまな考え方がありますが、筆者は以下の考えでテーマとプラグインを選んでいます。

  • 利用数が多い
  • 更新頻度が多い
  • プラグインはあまり入れない
  • テーマは軽い
  • テーマの機能が豊富

以前も紹介しましたが、WordPress本体はコミュニティ側で管理されており、更新も頻繁であり、セキュリティ上の問題も起こりにくい環境になっています。

一方、テーマやプラグインは小さなコミュニティや会社、または個人で運営されていることも多いため、慎重に選ぶ必要があります。プラグインは障害を起こす原因にもなりがちであるため、なるべく安全なものを選ぶ、もしくは、プラグインはあまり入れないというのが基本的な考え方になります。

そして、昨今のSEOにおいてWebの表示速度がかなり重視されているので、テーマの軽さもポイントになります。例えば、WordPressの高速化プラットフォームでデファクトになったKUSANAGIを導入してもテーマが重いと、パフォーマンスに影響が出るケースもあります。