労働組合の力が強い企業、従業員志向の高い企業に必ずあるのが定時退社日です。
もともとの発想は、キレイに言えば、家庭や趣味も充実した環境にある人間は仕事面でも成果を出せるという考えに基づいたものです。
少しドロドロした表現をするなら、毎日ヘトヘトになって働いている従業員のやる気を適度に維持し、世間からは人道的な会社に思わせるためのアメと言えるでしょう。
※親方日の丸系の一部職場では労使交渉の道具になってますけどね
IT業界も残業が多い世界ですから、多くの企業がこの定時退社日を導入しています。これについて、mixiに興味深い書き込みがありました。
(「定時退社日」は運用可能??)
→ http://it-ura.seesaa.net/article/108041146.html
簡単に述べると、「上司や同僚を残して先に帰るのは気が引けるので、定時退社のルールを導入したいのだけど、みなさんの会社はどうやっていますか?」という質問です。
これについて、いくつかの回答で導入のきっかけを説明されていました。
一番多かったのは「ダラダラ働いている悪癖を改めるため」という類のもの。つまり、夕方18時の時点で「明日12時までに仕上げてほしい」と言われた仕事に対する作業時間を、18時から翌12時まで18時間もあると認識するのではなく、翌朝9時から12時までの3時間しかないと捉えて仕事をするよう心がけるということです。
これって、システム開発のフェーズによくある光景ですね。金曜日の時点で進捗が遅延しているのに、土日で挽回すればよいという発想も同じです。
結局は定時退社、ノー残業デーを許容できる作業ボリュームが前提となるのですが、その上で各人の作業効率性を高める努力を要求するため、チーム全体の意識が一段階高いレベルに上がります。
こういった改善を継続的に続ける組織は強いですね。
ちなみに実施時期で一番多かったのは「水曜日」という回答。
1週間の真ん中である水曜日の負荷を減らしてリフレッシュに割り当てるのが一番心理的に効果があると考える人が多いようですね。
以前、Tech総研が「1週間のうちで休むならいつがよいか?」を調査したときにも「水曜日」という回答が最多得票でした。
いつがよいかと聞かれたら、私も水曜日と回答します。
小学生の時、毎週水曜午後は先生達の勉強会で半ドンで帰っていましたが、その感覚もあって水曜は早く帰るものという意識がある人もいるか もしれません。 ※私だけですか?
著者紹介
吉澤準特 (ヨシザワジュントク)
外資系コンサルティング会社に勤務。守秘義務を破らない範囲でIT業界の裏話をつぶやきます。ファシリテーション、ビジネスフレームワーク、人材教育など執筆多数。日本能率協会、秀和システムそれぞれから書籍刊行。執筆依頼/インタビューお引き受けします。こっそりITIL Manager (v2)資格保有。
この記事は吉澤準特氏のブログ「IT業界の裏話」の過去記事を抜粋し適宜加筆・修正を行って転載しています。