IT業界にいると様々なプロジェクトに関わることになりますが、やはりSI(システムインテグレーション)に関わるものは変わったものが色々とあります。ここではSIそのものにまつわる皮肉めいた表現を紹介しましょう。
【ウォーターフォール・モデル】=水が瀧を流れ落ちるようにプロジェクト危機が進んでいくことから、このような名称になった
【アジャイル開発宣言】=真に迅速な開発手法は、コード感覚を持たない設計者たちが撤退することである
【見積り】=この時点で予算と人員とデスマーチが確定する
【要件定義】=顧客の大事な要求を理解可能な20%の範囲に絞り込む工程
【基本設計書】=顧客が80%理解できないIT知識で顧客を満足させる品物
【詳細設計書】=設計者の理解できないプログラミング知識で設計者を満足させる品物
【ソースのコメント】=設計書よりも正確な仕様が記述されている箇所
【ソース解析】=一日のうちで最も脳の深い眠りが出現する作業時間
【コーディング】=コピペする作業のこと
【単体テスト】=プログラムを作りはじめる工程
【結合テスト】=プログラマが始めて仕様を理解する工程
【システムテスト】=SEが始めてシステムを理解する工程
【テスト仕様書】=設計書ではなく、コードにそって作成する書類
【デバッグ】=プログラムをコメント化すること
【進捗報告】=優秀なエンジニアは進捗ではなくスケジュールを進捗報告するものである
【レビュー】=仕事のやり直しを指示されること
【引継ぎ】=前任者の潜在バグを引き継ぐこと
【仕様変更】=2週間以上の作業をリセットされること
【バージョン】=仕様書とソースのバージョンは2世代以上ずれているのが通常である
【デスマーチ/デスマ】=仕事量がmaxを超え、プロジェクト要員の思考が一斉に停止する現象
【ユーザー教育】=ユーザーの前でバグ出しをする工程
【納品日】=まだ半分しか出来ていないシステムを稼動させる日
【リリース】=大量バグの市場開放
【カットオーバー】=生産性の高い先鋭部隊が一斉に退陣し、仕事をしていなかった人材のみが残される日
悪魔の辞典『ヒト編』はこちら。
http://it-ura.seesaa.net/article/114314527.html
『IT業界の病理コミュニティ』
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1683753
著者紹介
吉澤準特 (ヨシザワジュントク)
外資系コンサルティング会社に勤務。守秘義務を破らない範囲でIT業界の裏話をつぶやきます。ファシリテーション、ビジネスフレームワーク、人材教育など執筆多数。日本能率協会、秀和システムそれぞれから書籍刊行。執筆依頼/インタビューお引き受けします。こっそりITIL Manager (v2)資格保有。
この記事は吉澤準特氏のブログ「IT業界の裏話」の過去記事を抜粋し適宜加筆・修正を行って転載しています。