ビジネス・メールでは、プライベートでメールのやり取りを行う際とは異なるルールがあり、それに逸脱すると返信しないという人が増えています。かの大前研一氏は1日に受け取るメールのうち、9割のメールは返信せずに「無視する」と言います。

以下、日本を代表するコンサルタント、大前研一氏のルールが公開されていたので、ここに紹介します。

●送信者が受信者に対して求めるアクション(目的)が明示されていない場合。

可否の回答を求めているのか?不明な点の説明を求めているのか?具体的な行動を要求しているのか?単に、用件の伝達を目的としているのか?など。1つの用件に関わるメールの送受信には一往復で完了させることを原則としている為であるそう。

●1通のメールで複数の用件を伝えている場合。

用件が異なれば、レスポンスの内容、タイミング、CC相手、必要に応じた転送先、メールの保存期間等々が異なる。送信者としてはメール一つで済ませたいのだろうが、受信者としては上記の理由より不便に感じる。また、1通1用件が守られていれば、メールの件名は、具体的なメール内容となるが、複数用件が列挙されている場合は、件名も曖昧になりがち。受信者が即座に用件内容を理解できるようなタイトルは、多忙なビジネスパーソンにとって重要。

大前氏いわく、「メールの返信が早い人は仕事も速い!」とのこと。この考え方には賛否両論あるでしょうね。

私の知人には、メールは敢えて1日2回のタイミングでしか返さないという人がいます。それは、メールを受信してそれを読むという行為を行うことで、自分の仕事のペースを乱されたくないからだそうです。

一方で、大前氏のように、仕事に迅速性が求められる人、しかもそれをマルチタスクで求められる人、さらには自分が意思決定のキーパーソンになっている人というのは、メールを即時レスポンスするようなスタイルが向いているのだと思います。

私なんぞは大前氏のような大それた役割に就いてはいませんが、それでも即時レスポンスのスタイルの方が全体的に仕事が効率的に進みますね。これは多分、管理職的な業務が増えているからでしょう。

自分の仕事のタイプ・性質を考えて、即時レスポンス派か定期レスポンス派のどちらにするかを考えると、 周囲の人間に迷惑をかけずに仕事の効率性を高めることができるようになると思います。

著者紹介

吉澤準特 (ヨシザワジュントク)

外資系コンサルティング会社に勤務。守秘義務を破らない範囲でIT業界の裏話をつぶやきます。ファシリテーション、ビジネスフレームワーク、人材教育など執筆多数。日本能率協会、秀和システムそれぞれから書籍刊行。執筆依頼/インタビューお引き受けします。こっそりITIL Manager (v2)資格保有。

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この記事は吉澤準特氏のブログ「IT業界の裏話」の過去記事を抜粋し適宜加筆・修正を行って転載しています。