皆さんは毎日どれだけの電子メールがやりとりされているかご存知でしょうか? リサーチ会社のIDCによると、次のような流通量になるそうです。
・個人間: 397億通
・自動的に送られる警告メール: 171億通
・スパムメール :400億通
・平均的なオフィスワーカーが1日に受け取るメール :140通/平均
なんと1日に1000億通にも達する電子メールがやりとりされているのです。これだけのメールが世界中のネットワーク上で流通していることを考えると、相当のネットワーク帯域を消費していることが分かりますね。
この状況を改善しようと、Intelに所属する150人程のエンジニアが、「ゼロ電子メール・フライデー」という活動を始めたことがありました。
『Fridays Go from Casual to E-Mail-Free』 → http://it-ura.seesaa.net/article/61192453.html
もちろん完全に電子メールを禁止することなど不可能ですが、できるだけ電話や直接ミーティングを行うことによって、メールを使用する頻度を減らそうという試みです。実は同様の試みは、既にUSセルラーやPBDという大企業でも行われていたりします。これら活動の最大の目的は、大量のメールを受け取ることによる「メール埋没者」を減らすことにあります。
メールは非常に便利なコミュニケーションツールですが、それを多用しすぎるばかりに、逆にコミュニケーションが困難な状況に陥るという皮肉な状況が近年見受けられますね。管理職や責任職に就く人など、1日に200通を超えるメールを受け取ることも珍しくなく、それゆえ、メールの件名だけで要不要を判断する人も少なからずいるのではないでしょうか。
この活動の推進者の一人は、次のように述べていました。「耳障りの良くないことを伝える場合、メールを避けて直接伝えることでコミュニケーションの悪化を防ぎ、かつメール量も減らせる」」言葉で伝えると3分で済むことが、メールに書き出すと30分かかってしまうということもよくある話ですよね。状況に応じて、メール以外のコミュニケーション手段も積極的に用いることで、更なる仕事の効率化・円滑化につなげたいものです。
著者紹介
吉澤準特 (ヨシザワジュントク)
外資系コンサルティング会社に勤務。守秘義務を破らない範囲でIT業界の裏話をつぶやきます。ファシリテーション、ビジネスフレームワーク、人材教育など執筆多数。日本能率協会、秀和システムそれぞれから書籍刊行。執筆依頼/インタビューお引き受けします。こっそりITIL Manager (v2)資格保有。
この記事は吉澤準特氏のブログ「IT業界の裏話」の過去記事を抜粋し適宜加筆・修正を行って転載しています。