2021年9月21日にリリースされた「iPadOS 15」では、マルチタスキング機能の向上やメモアプリの機能拡張、マップの改善、翻訳アプリの標準搭載など、多くの新機能が追加されている。今回は、これまでに取り上げていないその他の便利機能を紹介する。

作業の中断を防ぐ「集中モード」

iPadOSには従来から「おやすみモード」と呼ばれる機能があったが、iPadOS 15ではこれがパワーアップした「集中モード」が追加された。これは、仕事中や睡眠中など、場面に応じて通知を抑制してくれるモードである。例えば、仕事に集中したいときは仕事に必要なアプリ以外の通知をオフにしたり、逆に家にいる間は仕事関連の通知をオフにするなどといった細かな設定ができるようになっている。

デフォルトでは「おやすみモード」「仕事」「睡眠」「パーソナル」「ゲーム」「フィットネス」「マインドフルネス」「読書」「運転」といったモードが用意されている。それぞれのモードで通知を許可するアプリについては自分でカスタマイズすることが可能。

集中モードに関する設定は、「設定」アプリの「集中モード」のページで行うことができる。

  • 「集中モード」の設定ページ

    「集中モード」の設定ページ

例えば「おやすみモード」のデフォルトの設定は次のようになっている。おやすみモードでは、連絡先、アプリともに全ての通知がオフになる。

  • 「おやすみモード」の設定例

    「おやすみモード」の設定例

試しに「仕事」モードを設定してみよう。各モードで、初めて設定する際は次のように主要なコンセプトが表示される。仕事モードの場合、仕事関連の通知は許可されるほか、時間や場所で自動でオンにしたり、集中モードがオンになっていることを他の人に知らせる機能などが有効化される。

  • 仕事関連の通知を見逃さないようにする「仕事」モード

    仕事関連の通知を見逃さないようにする「仕事」モード

[次へ]をタップすると、通知を許可する連絡先の選択に進む。ここで追加された連絡先からの通知は、仕事モード中でも通常通り受け取ることができる。

  • 通知を許可する連絡先を選択する

    通知を許可する連絡先を選択する

[許可]または[誰も許可しない]をタップし、続いて通知を許可するアプリを選択する。仕事関連の連絡に使用するアプリはここに追加しておこう。

  • 通知を許可するアプリを選択する

    通知を許可するアプリを選択する

[許可]または[[誰も許可しない]をタップすると、次のように表示されて、仕事モードが使用可能になった。

  • 「仕事」モードが使用可能に

    「仕事」モードが使用可能に

再度、設定アプリの「集中モード」から「仕事」を選択すると、今度は次のように仕事モードの設定内容が表示される。

  • 「仕事」モードの設定画面の例

    「仕事」モードの設定画面の例

この画面から、ホーム画面やロック画面での通知方法に関する詳細な設定を行うことができる。例えばホーム画面では、次のように通知バッジの表示/非表示を切り替えたり、ホーム画面の表示をカスタマイズしたりできる。「ページをカスタマイズ」をオンにすると、集中モード中にホーム画面にウィジェットを表示するかどうかなどを選択できる。

  • 仕事モード中のホーム画面の表示をカスタマイズ

    仕事モード中のホーム画面の表示をカスタマイズ

ロック画面の設定では、自動的にロック画面の輝度を落として暗くしたり、集中モードによって制限された通知をロック画面に表示したりするかどうかを選ぶことができる。

  • 仕事モード中のロック画面の表示をカスタマイズ

    仕事モード中のロック画面の表示をカスタマイズ

集中モードは、時刻や場所(位置情報)などによって自動的にオン/オフを切り替えるように設定しておくことも可能になっている。これは「ショートカット」アプリのオートメーション機能と同様で、次のように「時刻」、「場所」、そして「アプリの起動」をトリガーとして設定する。

  • 集中モードを自動でオンにする条件を設定する

    集中モードを自動でオンにする条件を設定する

手動での集中モードのオン/オフの切り替えは、設定アプリのほかに、コントロールセンターからも行うことができる。コントロールセンターには次のように「集中モード」のアイコンが用意されているので、これをロングタップ(長押し)する。

  • コントロールセンターの「集中モード」アイコンを長押しする

    コントロールセンターの「集中モード」アイコンを長押しする

続いて、有効にしたい集中モードをタップすればよい。

  • 有効にしたい集中モードをタップ

    有効にしたい集中モードをタップ

これまでも、作業に集中したいときは「おやすみモード」で通知をオフにしていた人もいるだろう。しかし、おやすみモードは、仕事に必要な内容の通知まで見逃してしまうという問題があった。新しい集中モードはこの問題を解決してくれる。ぜひ使いこなして、作業に集中できる環境を作っていこう。