開発時に便利なツールたち
Javaや.NETなどを使用したソフトウェア開発ではEclipseやVisual StudioといったIDEの利用が一般的だが、すべての作業がIDE内で完結することはまずない。特にコーディング以外では、開発用のサーバSSHやファイル転送をしたり、ログファイルからエラーの原因を解析したりなど、IDEを離れて作業を行わなければならないケースも多いはずだ。今回はIDE以外にソフトウェア開発に便利なツールたちを紹介する。
ファイルの圧縮/解凍に便利な「7-Zip」
開発以前にPCを利用する上で欠かせないのが圧縮/解凍ソフトだ。Windows向けの圧縮/解凍ソフトにはさまざまなものがあるが、7-Zipは圧縮ファイルを解凍せずに任意のエディタで内容を参照することができたり、外部DLLを使用せずに多くの圧縮形式のファイルを扱うことができるなど、手軽に扱うことができる。用途に限らずインストールしておくと便利なツールだ。
テキストエディタの定番「サクラエディタ」
IDEを使って開発をしていても、テキストエディタを利用する機会は多い。
Windows上で利用可能なテキストエディタもいろいろなものがある。UNIX系のOSでviやEmacsに慣れている場合はgvimやMeadow、xyzzyなどがおすすめだが、Windowsの一般的なアプリケーションの操作に慣れている場合にはサクラエディタがオススメだ。
サクラエディタはオープンソースで開発されており、シンプルかつ高機能なテキストエディタだ。豊富な設定項目を持ち、さまざまなカスタマイズが可能だ。grep機能やアウトラインを解析してジャンプする機能、入力補完機能などを備えている。また、基本的にはSDI型のアプリケーションだが、設定を変更することでタブ型のエディタとして使用することもできる。
Windows上で無償で使えるテキストエディタを探している方はぜひ一度試してみてほしい。
差分の確認/マージにWinMerge日本語版
UNIX系のOSではdiffコマンドでファイルやディレクトリの差分を調べることができるが、WinMergeはWindows上で利用可能なGUI版のdiffだ。ソースコードやディレクトリの差分をグラフィカルに確認することができる。また、差分を確認しながらマージを行うこともできる。同様のツールにはDFなどがある。
MS OfficeやPDFも検索「JGrepper」
ファイルの中身を検索したい場合に便利なのがJGrepperだ。UNIX系のOSでがgrepコマンドが一般的だが、JGrepperはこれと同様の機能を提供するGUIアプリケーションだ。
Windows上でgrepを行うためのツールにはJGrepperの特徴はなんといってもテキストファイルだけでなく、Microsoft OfficeのファイルやPDFファイルの中身まで検索できてしまう点だ。ソースコードだけでなく、ドキュメントを検索したい場合などに重宝するだろう。
高機能ターミナルエミュレータ「Poderosa」
Poderosaは高機能なSSHクライアントだ。同様のツールで有名なのはなんといってもTeraTerm/だろう。PoderosaはTeraTermと比べるとタブやウィンドウ分割機能など機能の豊富さが売りだ。複数のサーバに同時に接続しなければいけないような場合に便利だ。
SCPでファイル転送「WinSCP」
開発時にはテスト用のサーバへのアプリケーションのデプロイなどでFTPなどを用いてファイル転送を行うこともあるだろう。FTPでのファイル転送にはFFFTPやFileZillaといった定番ツールがある。
ただし、環境によってはFTPが利用できない場合もあるかもしれない。このような場合に便利なのがWinSCPだ。SSHを使用してFTPのようにファイル転送を行うことができる。見た目も一般的なファイルマネージャやFTPクライアントに似ており、直感的に利用することができるだろう。
高機能バイナリエディタ「Stirling」
最近はさまざまなファイルにテキストベースのフォーマットが利用されることが増えたため、バイナリファイルを扱うことはなかなかないかもしれないが、バイナリファイルを扱う際にオススメしたいのがStirlingだ。強力な解析/編集機能と使いやすさを両立している。バイナリファイルを扱う際にはイチ押しのツールだ。
まとめ
今回は開発時に便利な細かなツール群を紹介した。IDEとあわせてこれらのツールを利用することでより円滑に日常作業を進めることができるだろう。本稿で紹介したツール以外にもいろいろなものがあるので自分の手になじむツールを探してみてほしい。