JAM Circleとは?
JAM Circleはかんばんを用いたタスク管理アプリケーションだ。デスクトップに貼り付けられる付箋ソフトに似ているが、ボードやレーンでタスクを分類することができたり、JRubyやJavaScriptで任意の処理を行うことができたり、XMPPによってリアルタイムにタスクの送受信を行うことができるなど、高機能かつ柔軟性の高いソフトウェアだ。
JAM CircleはオープンソースのEclipseRCPアプリケーションとして開発されており、スタンドアロンアプリケーションとして利用可能なパッケージが提供されているほか、Eclipseにプラグインとしてインストールすることもできる。
JAM Circleを使ってみよう
JAM Circleを起動すると以下のようなウィンドウが表示される。「ToDo」「In Progress」「Done」の3つのレーンが表示されている。
ボードの任意の場所をダブルクリックするとカードを作成することができる。追加したカードをダブルクリックするとカードの内容を編集することができる。また、カードにマウスを重ねるとカードの右下にメニューアイコンが表示される。ここからカードの詳細情報の編集や、カードの色の設定などを行うことが可能だ。
タスクの締切、ファイル添付などを行うこともでき、締切を設定したカードは時計アイコンが表示されるなど、視覚的にわかりやすいインタフェースとなっている。
レーンやボードは自由に追加することができる。レーンはボートの左側に配置されている「レーン」アイコンをダブルクリックすることで追加できる。また、ボードは[ファイル]メニューから[新規ウィザード]→[その他]を選択し、新規作成ウィザードから[JAM Circle]→[ボードを作成]で追加することができる。
スクリプトによるアクションの定義
JAM Circleの特徴はJRubyやJavaScript(Rhino)を用いて任意のアクションを定義できるという点だ。たとえば最初から用意されている「Done」レーンには以下のようなスクリプトが設定定義されており、カードがレーンに追加された場合はsetCompleted(true)、削除された場合はsetCompleted(false)を呼び出している。このスクリプトによって「Done」レーンに追加されたタスクには完了チェックマークが表示されるわけだ。
if(event.isAdded()){
card.setCompleted(true);
card.save();
}else if(event.isRemoved()){
card.setCompleted(false);
card.save();
}
JAM CircleのWebサイトにはTracやTwitterなどからJAM Circleにカードを取り込んだり、逆にJAM CircleのカードをTracのチケットとして登録したり、Twitterに通知するスクリプトのサンプルが掲載されている。
特にソフトウェアの開発プロジェクトでは Tracなどでタスク管理が行われているケースも多いため、Tracと連携できるという点は魅力的だ。もちろんTrac以外にもWeb APIが用意されているBTSであればスクリプトを作成することで連携することが可能だろう。興味のある方は試してみてほしい。
まとめ
JAM Circleはカードやレーンなどがグラフィカルに表示されるため、タスクの状況を直感的に把握しやすい。機能が豊富で他の付箋アプリケーションと比べると、よりきっちりとタスク管理を行いたい人向けのツールといえるだろう。
また、スクリプトで任意の処理を行うことができるという柔軟性も大きな魅力だ。 JAM CircleのWebサイトにも書かれているが、ソーシャルブックマークサービスと連携することで、ブックマークの未読管理に使用するといった利用方法も提案されている。このようにJAM Circleは工夫しだいでさまざまな用途に利用できる可能性を秘めている。
タスク管理はソフトウェア開発だけでなく、さまざまなシーンで必要となる。まずは個人的なTODOの管理に使用してみてはいかがだろうか。