Andoroid開発環境の構築
近年iPhoneと並んで注目を集めているモバイルプラットフォームがAndroidだ。Android Development Tools(ADT)と呼ばれるEclipseプラグインを用いることでEclipse上で開発を行うことが可能だ。
ADTはこちらの更新サイトからインストールすることができる。
なお、ADTで開発を行うためには別途Android SDKが必要となる。こちらのURLからSDKのアーカイブをダウンロードし、適当なディレクトリに展開しておこう。
ADTではEclipseの設定ダイアログでAndroid SDKの場所を指定する必要がある。その後、Eclipseの[ウィンドウ]メニューから[Android SDK and AVD Manager]を選択し、[Available Packages]ですべてのパッケージを選択してインストールする。
Andoroidアプリケーションを作ってみよう
Eclipseの新規プロジェクト作成ウィザードから[Androidプロジェクト]を選択する。プロジェクト名、アプリケーション名、パッケージ名、ターゲットとするAndroidのバージョンなどを入力してプロジェクトを作成しよう。また、[Create Activity]にチェックを入れ、適当なクラス名を入力しておこう。Androidプロジェクトの作成時にユニットテスト用の別プロジェクトを同時に作成することも可能だ(もちろんあとから作成することもできる)。
作成したプロジェクトはHello Worldアプリケーションになっているので、実行して動作を確認してみよう。プロジェクトを右クリックして[実行]-[Androidアプリケーション]を選択する。初回実行時はAndroidの仮想デバイス(エミュレータ)の設定を作成する必要がある。Android SDK and AVD Managerダイアログの[Virtual Devices]でプロジェクトのターゲットバージョンにあわせてAVD(Android Virtual Device)を作成しよう。
プロジェクトを実行するとエミュレータが起動する。しばらく待つと以下のような画面になるので[MENU]ボタンをクリックするとエミュレータ上でアプリケーションの動作を確認することができる。エミュレータが起動して利用可能になるまでにはそれなりに時間がかかるので、気長に待とう。
ADTで作成したAndroidアプリケーションはエクスポートウィザードを使用して配布形式(apkファイル)でエクスポートすることができる。
設定ファイルをグラフィカルに編集
Androidでは画面のレイアウトや文字列などのリソースをXMLファイルで管理することができるが、ADTではこれらのXMLファイルを編集するための専用のエディタが提供されている。
レイアウトを定義するXMLファイルはグラフィカルに編集することが可能だが、ドラッグ&ドロップ操作だけでレイアウトを編集できるレベルにはない。実際にはXMLファイルを直接編集しながらレイアウトを確認するといった使い方になるだろう。
エミュレータの管理機能も充実
ADTにはエミュレータを管理するためのDDMSパースペクティブが提供されており、起動中のエミュレータを制御することができる。エミュレータに電話をかけたり、位置情報を送信することができるほか、スレッドやヒープの参照、ファイルの転送、エミュレータの画面キャプチャを撮ることもできる。
Androidのエミュレータはかなり作り込まれており、DDMSを活用することで実機を使わなくてもかなりの部分をエミュレータ上でテストすることができるはずだ。
まとめ
AndroidはJava言語でアプリケーションを開発できるため、Java開発者にとって親しみやすいプラットフォームといえる。また、ADTを使用することで使いなれたEclipse上で開発ができるという点も重要なポイントだ。エミュレータだけでもかなりのことができるため、実機を持っていなくても気軽に開発にトライすることができるだろう。ぜひAndroidアプリケーションの開発にチャレンジしてみてほしい。