Notionにはいくつかのプランがあります。個人利用のプランから、チーム利用のプランまで。そして、チーム利用の中にもチームプランとエンタープライズプランの2種類があります。→過去の「Notionがあなたのチームを強くする」の回はこちらを参照。
チームプランとエンタープライズプランの違いをあまり知らない方も多いと思います。筆者(田原)もその1人でした。
そこで今回は、エンタープライズプランの特徴やメリットについて、Notion日本法人ゼネラルマネジャーの西勝清さんにお話を伺いしました。
エンタープライズプランを一言で表すと
田原:エンタープライズプランを一言で表すと、どのようなプランでしょうか?
西さん:「高度な管理機能とセキュリティ機能を備えたプラン」です。大企業向けと思われがちですが、会社規模や利用人数規模によらず、管理やセキュリティにこだわりたい企業に利用されています。スタートアップや10~20人規模で使っている企業もいらっしゃいます。
エンタープライズプランの主要機能
田原:エンタープライズプランにはどのような機能がありますか?
西さん:主な機能は4つです。
主要機能 1. SAML SSO + SCIM
西さん:ある程度人数が増えてくるとSAML SSO + SCIMの企業ニーズが出てきます。SAML SSOとは、OktaやMicrosoft Azure、Google Workspaceなどのサービスで認証してNotionにログインできる機能です。
SCIMとは、例えばOkta側でグループ設定をするとNotionに反映される、という機能です。感覚的には100人以上規模になるとこのあたりの機能のニーズが出てくる印象です。詳しくはこちら。
田原:例えば退職者が出た時も、Okta側で削除すればNotionの当該ワークスペース上からも削除される、といった処理ができるようになるのですね。
主要機能 2. 監査ログ
西さん:監査のために必要なログを取得できます。ページイベント、ワークスペースイベント、アカウントイベントなどをログとして取れます。
監査対応の作業に使用したり、セキュリティインシデントが疑われる状況が起きた時に監査ログをもとに調査したりできます。詳しくはこちら。
田原:この機能がリリースされたことで、一気にエンタープライズ感が増しましたね。とてもニーズのある機能だと思います。
主要機能 3. メンバーシップ管理者
西さん:アカウントの権限グループが3階層になります。他のプランではメンバーと管理者の2種類ですが、エンタープライズプランだと「メンバーシップ管理者」というグループが存在します。
メンバーシップ管理者は、ワークスペースの設定はできません。メンバーを加えることだけできます。
大規模な組織では、セキュリティ周りを触れる人は絞りたいはずです。例えば情報システム部門の人だけに絞るなど。一方で、メンバーの追加作業は現場のマネージャーが行いたいというニーズがあります。
メンバーの追加をしたいためだけに管理者を増やすのはセキュリティ上よろしくないので、メンバーシップ管理者が役立ちます。詳しくはこちら。
田原:たしかに、私の会社ではチームプラン契約ですが、メンバー追加のためにどんどん管理者を増やしてしまっています。管理者を増やすことなく、メンバー追加だけを行える設定があるのはありがたいですね。
主要機能 4. ドメイン検証機能
西さん:ドメイン検証機能、つまりワークスペース上で「このドメインは私たちが所有しています」という検証ができます。ドメインを検証するとSAML SSOもできるようになります。
また、最近出た機能で、ドメイン検証をすると企業のドメインを使って新しくワークスペースを作成できる人を管理者のみに制限することもできます。
いわゆる野良ワークスペース、会社として許可していないワークスペースを作ることを禁止する機能です。詳しくはこちら。
田原:野良ワークスペースはNotionに限らずいろいろなサービスで起こり得る問題ですね。設定で制限できるのはありがたいです。
他にも機能はありますか?
田原:主要機能のご紹介ありがとうございました。他にもチームプランとの違いはありますか?
西さん:実は他にもたくさんの機能があります。
制限のない過去ページ履歴が利用可能
西さん:ページの編集履歴を過去に遡って確認することができます。チームプランでは過去30日間という制限がありますが、エンタープライズプランでは無制限です。
アドバンスドセキュリティ設定
西さん:細かなセキュリティ設定を行えるようになります。
- ページのWeb公開を無効にする
- メンバーによるワークスペースセクション(最上位階層のページ)の編集を防止する
- ゲストを無効にする
- 他のワークスペースのページの移動や複製を無効にする
- エクスポートを無効にする
情報セキュリティが厳しい会社では、これらの設定をすべて有効にしています。
田原:Web公開の無効化は誤操作による事故を防ぐためにもかなり使われそうですね。最上位階層のページの編集を禁止する機能も嬉しいですね。
インテグレーションの制限
西さん:連携アプリの制限ができます。機能をオンにするとワークスペースオーナーによる承認制となります。
Bulk export
西さん:チームプランは1ページごとのPDFダウンロードしかできませんが、エンタープライズプランではワークスペース内の全ページのPDFダウンロードを一括で行えます。
専任のカスタマーマネージャー
西さん:年払い契約かつ100人以上の契約の場合のみ、専任のカスタマーマネージャーがサポートします。企業の状況に合わせて仕組みを一緒に考えて、Notionを上手く使えるように伴走します。
カスタム契約と請求方法
西さん:支払い方法を変えるなどの個別相談が可能となります。
新機能への早期アクセス
西さん:すべての新機能ではありませんが、一部の新機能の先行案内をお届けしています。ご希望に応じて早期アクセスが可能となります。
エンタープライズプランが合う企業の特徴
田原:とてもたくさんの機能があることがわかりました。日本国内でもエンタープライズプランを選択する企業は増えていますか?
西さん:増えていますね。特に大企業はほぼエンタープライズプランを選択されています。
田原:エンタープライズプランを選ぶ企業に特徴はありますか?
西さん:「会社の規模やユーザの規模」と「会社のセキュリティポリシー」の2点が挙げられます。
大きな組織だとアカウント管理が大変なので、SAML SSO + SCIMにメリットを感じていただいています。
また、会社のセキュリティポリシー的にSAML SSOや監査ログを必須にされている企業もいらっしゃいます。
もちろんシステム的なセキュアさでいうとチームプランとエンタープライズプランに違いはありませんが、セキュリティ運用のためにエンタープライズプランの機能を必要とされる企業がいらっしゃる、ということですね。
費用面
田原:チームプランだと月払いでは1人あたり月額10ドル、年払いでは1人あたり月額8ドルですね。エンタープライズプランの費用はどのくらいでしょうか?
西さん:エンタープライズプランについてはお問い合わせいただき、営業にて担当させていただいております。
エンタープライズプランを検討されている方へ
田原:もしエンタープライズプランの選択を決めたとき、あるいは検討し始めたときにはどうすればよいでしょうか?
西さん:一度セールスにお問合せいただければ、プランや機能のご紹介をさせていただきます。Notion公式サイトの「セールスへのお問い合わせ」からご連絡いただければと思います。
いかがでしたか。エンタープライズプランには管理機能およびセキュリティ機能が充実していることがわかりました。
もしエンタープライズプランが気になる方は、まずは公式サイトの「セールスへのお問い合わせ」からNotionに問い合わせてみましょう。