Google Glassの形状に秘められた大きなメリット
Hot Chips 25において、Google Glassの開発リーダーのBabak Parviz氏が、「Being in the moment with Google Glass」と題して基調講演を行った。
なぜ、Google Glassがああいった形になったかであるが、直ぐにコンピューティングにアクセスできるということが重要であるという。大型コンピュータの時代には普通の人間はコンピュータに触ることは出来なかった。それがPCになって触れるようになったが、デスクに向かってというように、どこでもコンピューティングにアクセスするわけにはいかない。
それが、スマートフォンになってどこでも簡単にコンピューティングにアクセスできるようになったが、それでもポケットから取り出す必要がある。しかし、メガネの形なら、かけ続けていても、それほどの違和感が無くすごせる。これが直ぐにコンピューティングにアクセスできる形態であるという。
また、カメラが目の近くにあり、人間の視点でものを見られる。つまり、その場に立ち会って情報を蓄積したり、送ったりすることができる。
そして、3次元の加速度センサを使って、ユーザの状態を知ることができ、視界にデータをオーバレイして提供することができる。現在のスクリーンはスマホと同程度であるが、将来的には大きなスクリーンも可能になる。
Google Glassの形状には、このような大きなメリットがあるという。
Google Glassが知識獲得の方法になる日
人と人のコミュニケーションの歴史を考えてみると、最初は、直接、話しをするというのが唯一の手段であった。それに手紙が加わり、離れた場所にいる人とコミュニケーションできるようになり、電信でより高速になり、電話で音声でのコミュニケーションが可能になった。
そして、e-mailやスマホで、より高速にリッチなコンテントでコミュニケーションができるようになった。
このようなコミュニケーション手段の改善の次の段階が、高速でビデオを使ったコミュニケーションが可能で、線が繋がっていないので、どこでも、どのような場面でも使えるGlassであるという。
また、知識を得ることに関しては、博識の人に聞くというレベルから、図書館で調べる、そして、Googleで検索するという風に進んできたが、単に音声で質問すれば答えが分かるというGlassが次の時代の知識獲得の方法であるという。
なぜ、このような使い方が可能になったかというと、スマートフォンの処理能力やカメラの解像度が上がり、LTEなどの高速無線通信でつながり、そして、その先にはGoogleなどのクラウドデータセンターが存在して知識を提供してくれるからである。
しかし、将来的には、これらのテクノロジーは、(ユーザの視界から)消えるべきであるという。オプティックスやトランスデューサが発展し、コンピュータがより高性能になって、小型化や低電力化が進み、ユーザにはこれらのテクノロジを使っていると言うことを意識させないで、コミュニケーションや知識の獲得ができる状態を目指すという。
次の図でGoogleマークが蝶になって飛んでいくのは、そのときにはGoogleも空気に拡散して見えなくなるという意味であろうか。