ハーブのきもちを知る
さて、できあがった基板を実際にハーブの鉢に挿した様子がこちらです。
また、『ハーブのきもち』の使い方をわかりやすく解説したビデオがこちらです。『ハーブのきもち』が実際に動いている様子をぜひご覧ください。
製作を通じてメディアアートや、基板アートの可能性について感じることができました。この記事を読んでいただいた方々も、基板を作ることは難しくないということを理解していただけたと思います。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。
製作した「ハーブのきもち」は、勉強会でお世話になった花大などで展示しています。興味がありましたらぜひご覧になってみてください。
ハーブのきもちを作り終えて
石田です。今回の「ハーブのきもち」は大変貴重な体験でした。
まず、電子工作の経験があり、回路にも詳しい伊藤剛浩くんと協力して1つのものを作ることができたこと。これが実はとても大切なことでした。なぜなら、わたしのようにアイデアを持っているだけで技術を持たない人は、何も作ることができません。かと言って、技術のある人も、アイデア性やデザイン性を兼ね備えていなくては、せっかくの技術もアピールすることができないのです。ですから、このような作品や製品は、「技術」と「デザイン」このどちらも兼ね備えていなくてはいけないと思っています。
今回、このことに言及する作品が作れたと思っており、とても達成感を感じています。
そして、今までデザインやアートの勉強をしてきた中でも使ったことのなかった「プリント基板」を使って作品が作れたこと。以前からメディアアートに興味があったので、ユニバーサル基板を使ったことはありましたが、基板自体の形であそぶことができる、という面ではプリント基板の方が有効な素材として使えるということが分かりました。わたしにとってこれは大きな進歩です。
今回「電子工作とアートが融合した作品」を意識した訳ですが、こうしたものを作るのは初めてでした。しかし、実はこうした電子工作とアートの組み合わせを意識したものを作っている方は最近どんどん増えてきています。それこそ、冒頭でもご紹介した「Make:」には、そういったアイデアを発表している方がたくさん集まっています。ほかの方のアイデアを見ると、また変わった見方で興味深いものを作っている方がたくさんいらっしゃって、とても面白いです。
「電子工作」と「アイデア」「デザイン」が合わされば、こんなにも面白いものができるということ。そして、まだまだ面白いものができる可能性を秘めているということ。これらのことが、皆さんにもお分かりいただけたのではないでしょうか。
伊藤です。今回このハーブのきもちを作ることができて、非常に楽しかったです。私は主に回路設計とプログラミングを行ない、本文でも書きましたが、最初は「土の水分量だけ測ればいいだろ」と考えていました。しかし、ハーブについて勉強すればするほど、そういう物ではないということが分かり、良い意味で色々悩みました。また、デザイン性を考えると、今回はできるだけ小さな部品と単純な回路で実現したかったために急遽使用するマイコンを変更しましたが、その部品の入手性があまりよくなく、前の日までは普通に購入することが出来ていたのですが、注文しようとしたら在庫ゼロ…と、思わぬところで苦戦してしまいました。結果として入手できましたが、下調べが足りなかったなと反省しています。
さて、今回はアートと電子工作の融合であるメディアアートというのを初めて意識してやってみたわけですが、改めて電子工作の楽しさとアートへの可能性に気付かされました。
電子工作自体は、部品は通販で、情報もインターネットで知ることが出来ますし、最近ではArduinoという初心者でも比較的簡単にできるものがあります。また、基板を起こそうと思えば、今回のようにP板.comに手軽に注文して、それこそミスがあれば指摘してもらえ、修正も可能なので、是非チャレンジしてもらえればと思っています。