EVERNOTEの検索機能があと一歩!
最近になって、iPhoneでのタグ階層化など、急速に使い勝手が向上しているEVERNOTEなのですが、全文検索機能だけは、どうしても「もうひとつ!」という印象があります。特に、雑誌のPDF化などをしても(第48回「電子ファイリングで雑誌をデジタル化する」参照)、そのページ内の検索が、非常によくヒットしてくれたり、全くダメだったりします。
タグが階層化でき、しかも全文検索もそれなりに使えるのですから、探したファイルが見つからないなどということはまずありません。それでも、全文検索の信頼度が高まれば高まるほど、すべてのデータを投げ込んでおくツールの価値が高くなるのは確実です。
最近になって私は、パスワードなどの個人情報を別にすれば、あらゆる情報の着地点はEVERNOTEにしているため、どうしてもこれは、全文検索に頼らざるを得ないという事情もあります。タグもいいのですが、あらゆるデータをきっちりタグ分けしてはいられません。
全文検索機能が使えれば使えるほど、タグ分けをする手間そのものが減るという効果もあります。結局のところ、データベースは捜し物が見つかればいいのです。その効果は確かにあなどれません。タグ付けに時間がかかるのは、タグ付けだけであとからデータを探したくなったとき、意味のないタグをつけたくないからです。
・時系列
・タグ、フォルダ、キーワードなど、言葉によるラベリング
・全文検索
このいずれの方法でもなお見つからないときは、言葉の記憶が変質してしまっているからです。しかしこれは、脳による記憶の特性上、普通は避けがたいところなので、「あんな感じのサイトがあったのだが・・・」というイメージによる検索がまだ実用的でない以上、「言葉の意味による検索」と「時系列」による検索で、どうにか捜し物をヒットさせるしかないわけです。
MacユーザーはSpotlight、WindowsからはGoogleデスクトップで検索する
しかしこの問題は、偶然に解決策を得ました。Spotlightから検索すれば、EVERNOTEのデータファイルもきちんと検索してくれるからです。
この検索のスゴイところは、EVERNOTEの全文検索よりも高速に検索語がヒットするところです。他のファイルも同時に探しているのだから、EVERNOTE内だけの検索をしている検索よりも速いというのは、なんだか不思議な感じです。
SpotlightをEVERNOTEの検索目的で利用するのは簡単です。ふつうにSpotlightを使うだけでOKです。そうすれば、EVERNOTEのデータファイル中に検索語が存在する限り、そのファイルがヒットします。
ここで大変便利なのが、EVERNOTE内のPDFのOCRもきちんと検索対象になるので、前述したような雑誌の中の文字列であっても、ヒットする確率がかなり高い点です。これは、どうもEVERNOTEの全文検索よりも、精度が上であるように感じます。
少し場所がずれてしまっていましたが、ちゃんと「マスターズ」という単語検索で、このファイルが見つかりました。そして、「マスターズ」が含まれているページに移動表示されました。
これなら、EVERNOTE内の文字列検索でも容易に同じ事ができそうに思います。しかし何度か試してみると、やはり思うようにいきません。うまくいく場合と、うまくいかない場合とがあるのです。これは信頼して使うには、少々困ります。
たとえばこのように、「行動計画」で検索してみても、EVERNOTE内の検索機能を使うと、ヒットしません。データがないということになってしまうのです。しかし、Spotlightで検索すると、違う結果が出ます。
このように、「行動計画」でSpotlight検索をかけると、ちゃんと1件だけデータがヒットしました。そして、このデータファイルには、たくさんの「行動計画」という語が含まれていました。
SpotlightはMacの標準検索ツールですが、WindowsではGoogleデスクトップが使えます。実際、試してみたところ、同じように検索でヒットさせることができました。速度もほぼ同じ。MacではSpotlightが若干速く結果が出ましたが、これは使用環境次第で違いが出てくるはずです。
ここまでできるようになったので、私は今、家にある雑誌やムックを片っ端から裁断機にかけ、次々にScanSnapで取り込み、EVERNOTEに保存しています。明らかに書棚の空間は30%ほど広がりました。たいした経済効果だと思います。
残る問題は、25MBまでというEVERNOTEのファイルサイズの制限です。わたしはEVERNOTEのプレミアムバージョンを利用しているので、ファイルサイズの制限は広くなっているのですが、それでも雑誌一冊をPDF化すると、EVERNOTEの1ファイルとしては扱えなくなります。
この問題に対応するには、ファイルを分割するか、画像の質を落とすかしなければなりませんが、個人的にはどちらもやりたくないのです。ファイルサイズ30MB程度の取り込みであれば、それほど時間はかからないし、画面で読むのにもちょうどいい解像度です。もっときれいであってもいいくらいなのに、ここから画質を落としてしまうと、画面で読みたくなくなります。
この問題が解決されれば、次は読み終わってしまった書籍のデジタル化に挑戦したいと思っています。